妖狐の煌

□20、告白
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エース「ロール!! 起っきろ〜……って、あれ?」


ロール「ん?おぉ、エース。早いな」


エース「え、いや…ロールこそ……」



朝、普段ならこの2人はまだ起きてないだろう時間帯。

しかし、物珍しい事に何だか今日だけは早く起きた2人。


エースは今まではこの時間帯は寝ていたのでやる事はなく、何をしようか迷っている内にロールと遊ぶ事を選択したとか。



ロール「悪ィなエース」


エース「?」


ロール「遊ぶのは、俺の話しをしてからだ」


エース「話?」




何だ何だ?
エースは食い入るようにロールに近づく。

とりあえず白ひげの部屋へと行こうという事になり、2人はそこへ向かう事になった。









ロール達が白ひげの部屋へ入ると、隊長格が全員集まっていた。



サッチ「ロールのとこにいたのか、エース」


エース「?、何でみんな集まってんだよ?」


マルコ「いいからお前はこっち来いよい、」



マルコにそう言われ、エースは隊長らと同じように並ぶ。

ロールから見ると、白ひげが目の前にいて、横に隊長らが囲んで座っているという形だ。



白ひげ「全員集まったようだな…、ロール」


ロール「うぃーっす」



ロールは返事をし、特に動きもせずにその場で話をする事に。

本当は船員全員に話す方が手っ取り早い事…だが、今から話す力の事は、何も知らない隊長らが多い。

もし話したとして、隊員はともかく、隊長にまで不安に煽るという事は避けたいのだ。


なので、まずは隊長らに知らせてから、らしい。



ロール「――まぁそういう事で、俺は戦闘には出られんし、訓練も手合わせも出来ない」


『………』




話が終わったものの、無言を返されてしまったロール。

ロールは気まずくなり、だらだらと冷や汗をかく。


それでも尚何も言わないみんなに、ロールは何か喋ろうと口を開こうとすると…、






ラクヨウ「あ?何だ、話終わりか?」


ロール「はへ?」


イゾウ「何だその間抜けな声は。 まだ続きがあると思ってたのによ、」


マルコ「………」


サッチ「え、ちょっお前らそんな反応?」


ビスタ「そうは言ってもな…、」


ハルタ「というより、何となくそんな気はしてたし」



「「!!!?」」



隊長ら全員が何となく分かっていた事だったらしい事実。

ロールとサッチは唖然とし、マルコは軽く溜め息をついていた。



ロール「エ、エースも…!?」



エース「……まぁ、」


ジョズ「そういや、一番初めに気づいたのがエースだったな」


ロール「え゛?!」




ナミュール「ロール雰囲気でも変だったし、」


フォッサ「敵船にもいかんし、」


アトモス「夜な夜なコソコソしてばかりいるし、」


エース「手合わせはしてくれねェし…、」


クリエル「マルコとサッチも無駄に過保護になり過ぎだしよ、」


『お前って本当、分かりやすいんだよ』


ロール「……;;」



な、何だよそれ〜〜!!!?

深刻な表情は一辺し、部屋には笑い声が鳴り響く。

ロールは力が抜けたように膝を崩し、溜め息をついた。




腑抜けた感じだが、どこか安心したような顔つき。

やっぱり隠し事は、自分には無理だと思ったロールだった。
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