妖狐の煌

□18、入手
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ロール「…お?」


サッチ「どうした?」



島に来てから4日が経った頃。 2日・3日は謹慎を下されたが、4日目にして我慢ならないロールは土下座して頼んでいたとか。

もう威厳の欠片もなかったが、サッチが共に行くと言ってくれたので、それで何とかOKはもらったらしい。


そんな2人が町を歩いていると、ロールが何かに反応した。



「なぁ爺さん金はあるんだ!売ってくれって」


「駄目と言ったら駄目じゃ! 三流剣士共が刀を持つなど10年早いわい!出直して来いっ」


「さっ三流だァ?!」


「俺たちは名のある賞金稼ぎだ! 最近じゃ一億の首を取ったところだしよォ!!」


「これのどこが三流だ!ァア?」


「三流じゃの、出直して来い人生に」


「「「どういう意味だゴラ!!?」」」


サッチ「すげぇ爺さんだな」


ロール「俺も昨日追い出されちまったんだよな」


「あ?」


サッチ「(やべ…っ)」サッ


ロール「んぎゃっ」



昨日訪れた店を覗くと、賞金稼ぎ3人と店主の老人が言い争っていた。

すると1人の賞金稼ぎがロール達に気づいてしまい、サッチは慌ててロールに帽子を深く被せた。



「っ…!!」


「ち、白ひげ海賊団じゃねェか…」



サッチを見て判断したのか、分が悪いと思った賞金稼ぎはそのまま退散していった。



サッチ「良い判断してくれるねェ、」


「ほぉ、中々腕の立つ客人が来おった」


サッチ「あ?」



3人が去った後、老人はサッチを見てそう言った

サッチは老人の言葉に反応し、そちらに視線を向ける



「何じゃ昨日の素人も来たのか、お前さんは帰れ」


ロール「えー」


サッチ「おいおい…爺さんそんな事言ってたら店やってけねェんじゃねェか?」


「ワシは気に入った奴にしか武器は売らん。 最近は殺しの道具にしか思ってない輩が多くて困ったもんじゃい。 …まぁそこの素人はさっきの輩よりはマトモじゃがな」


ロール「え?」


「稽古を始めて間もないが、悪い目はしとらん」


サッチ「!?、ちょっ爺さん何でそんな事分かんだよ」


「長年やってれば目は養われる、位ぐらい一目で分かるわい」




どれだけ大金を積まれようが、買い手の位が低ければ売ってはもらえないという変わった武器屋。

そんな店主はサッチが気に入ったのか、好きなだけ見ていいと許可が下りたのだった。



(爺さん俺はー?)

(お前さんは扉付近におれ、刀を持つには早い)

(けちー)
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