妖狐の煌

□10、打明
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ロール「っ、っ…!!」


サッチ「あのな…ロール、無理な筋トレは逆に体痛めるだけだぜ?」



話し合いが終わって、ロールは壁を使って逆立ちをし、そのまま腕立てをやろうとしていた。

(当然だが)中々出来ない


何よりもマルコとサッチには体に負担を掛けてるようにしか見えない。



マルコ「とりあえずその方法止めろい。 …鍛えたいならもっと別の方法にしてくれよい」



マルコはそう言ってロールの足首を掴んで逆立ちを止めさせる。



ロール「別にガキの頃はこう鍛えてたし…」


サッチ「どんな私生活だよ……、」



呆れ顔の2人に対し、ロールはムスーっとしていた。


…そんな時、外から部屋の扉が開いた。



フィレス「ん?あ、マルコ隊長にサッチ隊長」




部屋に入って来たのはフィレス。

先ほどまでエースと共に行動していて、今は一息つきに部屋に入って来た模様。



マルコ「…っと、もうこんな時間だねい」


サッチ「あ、やべっメシの準備任せっきりだ!」


マルコ「何やってんだよい…」


フィレス「…あ、そういえばマルコ隊長、さっき1番隊の人達が探してましたけど……」


マルコ「!…そうかよい、」



んじゃお暇(いとま)するか、と2人は部屋を出て行く。

部屋はロールとフィレスの2人だけとなった。



ロール「……なぁフィレス」


フィレス「はい?」



沈黙が流れようとした瞬間、それを阻止したロール。

フィレスはロールに視線を向けた。



ロール「お前、何でさっきの止めてくれたんだ?」


フィレス「……」


ロール「ちょっとの対決なんてこの船じゃ日常茶飯事だ、」



親父たちと違って何も知らないコイツが…止めに入るなんて変だ


フィレスはそう言われ、間を開けた後に口を開いた。



フィレス「…その…、
副船長、ここ最近少し様子が可笑しかったから…」


ロール「え?」



俺が…?

何言ってんだ…、
俺は前と変わりなく接してた…筈……



フィレス「手合わせも、敵船退治も自主的にやってませんし…。 何より、いつもツラそうな顔を浮かべてましたので……」


ロール「…ーー」



静かに自分が今までずっと想っていた事を語るフィレス…。

それにロールは驚き顔が絶えなかった。



ロール「ーー…ったく、お前鋭すぎだろ」



ロールは一呼吸し、観念したような顔つきでフィレスを見つめた。
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