総隊長と家族

□61 一方…
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ー城ー


立派な王族の城の中。
なのに廊下は物静かに、しーんとしている。


だが、とある部屋では哄笑が聞こえて来た。



?「ぐはははっ!王族ってのも退屈なもんだなオイ」


図体がデカく、声が部屋に良く響くこの男は最初にフィン達が訪れた時に会見にいたユーゴとかいう男だ。



?「私がそうさせているのです。 見直してほしい所ですね…ラディ船長」


ラディ「オイ、今はその名で呼ぶな。 今は…あー何だったか?」


?「ユーゴです」


ラディ「そうだったな、ぐははは!」



ユーゴの本名はラディ。
船長という事は、海賊という事になるであろう。

そして、先ほどからラディと話しているのはアデルの名を語る者だ。

本名はリユース。
そして、金髪かと思いきや今は銀髪であった。
どうやらスプレーで金髪に偽っていたようだ。



そして、この部屋にはもう1人居た。
だがその者は血が所々出ていて手をしばられ、足を鎖で固定され動けないようにされていた。



ラディ「ゼウスさんよォ、いつになったらアレの鍵の在処を教えてくれるんだ?」



縛られていたのはアデレイド王国の現王・ゼウスであった。



ゼウス「…知らないと何度言ったら分かる?」


ラディ「ち…、そればっかだなオイ。 それはそれでこっちにだって策があんだぜ?」


ゼウス「何だと…?」



ラディ「オイ、」



ラディはリユースの方を向いて首をくいっと動かす。


するとリユースは部屋のドアを開ける。




ガチャ…、

ドン
ーーバタ…、




扉が開くと輩がいて、そこにフィンがいた。

だがフィンは未だに気絶をしており、男に押されると地に倒れてしまった。



ラディ「ぐははは!驚いて声が出ねェか? アンタんとこの第二皇子を連れて来てやったんだよ。
探すのは大変だったぜ、」


ゼウス「……、何を人違いしてるのかは知らないがファイではない。体型からしてな」


ラディ「あ?」


リユース「……!!」



リユースはフィンを見る。

確か王位第二継承者…ファイは10代前半。
だがフィンは後半の体型をしている。



リユース「っ、間違えたようだな」


ラディ「んだと!?」


ゼウス「…無関係なら、早くその人を解放してやりなさい」


ラディ「舐めた口聞くんじゃねェ!! 脅しなんて結局は誰でもいいんだからなァ!!」


ゼウス「っ…!!」



 
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