異世界の扉

□03
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あれから、どの位経ったんだろう……。
無理やり起こされる事もなくずっと寝てたから、結構寝ていたかもしれない。

体の痛みも、前よりはマシになっていた。とても軽く感じる。


あのナースが治療してくれたのかな‥?
…ところで治療費は…?え、これもしかして請求されるの…?
でも治療なんて頼んだ覚えは……、


ーーガチャ‥、



エース「お、お前やっと起きたんだな!」


海斗「……」



ああ…えっと……、何か寝る前にもいたよね、この半裸……じゃなくて、エース…だっけ?

何でナイフっぽいものぶら下げてんだろう?本物じゃ…ないよね?
そういう趣味か何かかな?



エース「カイトが丸二日も寝てたからよー、マリィが心配してたぞ」


海斗「……」




心配…?何で?
傷を見たから同情か何か?



エース「なぁなぁ、お前どっから来たんだ? やっぱ空から来たから空島か?」


海斗「…はい?」



いやいや、空からって何?
空島って何?!

確かに落下はしたけど、空から落ちた覚えはない。いや絶対ありえない!




海斗「…オレは、空島なんか知らないし、大体ここどこ?」


エース「ん?ああ、船ん中。 悪ィ、どの辺りにいるかは知らねェや」



…船?え?
オレ橋から落ちて、川に流れて海に行ったって事?!

でもこの人は空からって言ってるし…?
いや、まずさっきも思ったけど、空からってのがありえない。



エース「いやぁ、でもお前良かったな。 拾われたのが悪ィ海賊じゃなくて」


海斗「…?、海賊って何?」


エース「へ?」



話が全く食い違っている事に今更気づくエース。

その後、エースは海斗の知らない単語を並べて話していたが、海斗は全くついていけず数十分が過ぎた。



ガチャ…、



サッチ「おーっす、」


マルコ「起きてたのかよい」


エース「サッチ、マルコ! こ、こいつ変なんだ!!」




……いや、変なのはあなたの話と、この人たちの個性的な頭で…いやそれより。
ここ外国?
日本人には見えないし……、

あ、でも言葉は通じてるし…?



マルコ「何が変なんだよい?」


エース「だって海賊も知らねェし、偉大なる航路も知らねェし、親父の事も知らねェんだぜ!!?」


サッチ「あー…、そいつは……。頭どっか打っちまったか?」


海斗「…記憶あるし、本当に知らないよ」


マルコ「ならお前の居た場所を教えてくれっかよい?」


海斗「場所って…、東京だけど? …あれ、じゃあここ東京湾?」


『・・・?』


エース「とーきょー、ってどこだ?」


海斗「へ? 日本。日本にある首都だよ」


エース「にほん?しゅと?」


海斗「日本も首都も分からないの?!」


マルコ「首都はともかく、日本なんか聞いた事がないねい」


サッチ「……マリィ連れてくるか?」




…ダメだ。
全く話しが噛み合わない。
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