異世界の扉
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エース「…カイト、」
海斗「ん?」
海斗が帰ってしまうかもしれない、という船内の情報を聞いたエース。
帰って来れるか分からない…それでも、海斗は行くと決めたらしい。
エース「本当に、行っちまうのかよ…?」
海斗「…そりゃ、帰って来れるか分からねェけど」
エース「……何で…だよ、あんな…っ、」
海斗「まぁ…ね、」
あんな家族に、
会う必要はない……。
でも…、
エース「分かってんなら…、次何されっか分かんねェんだぞ…!?」
海斗「……でも一応、父親は向こうにはいないし…」
エース「まだあの野郎以外いるんだろ…っ?
止めとけよ!お前にもしもの事があったら「それでも!!」!」
海斗「それでも…、
オレが生まれて、オレがここに居られるのは…っ、あの家族のおかげでもあるから…!!」
エース「……!!」
海斗「だから「カイト」!」
海斗とエースが話をしていると、横から声が聞こえた。
サッチ「親父が呼んでたぜ」
海斗「あ…、ぅん」
海斗はサッチにそう言われ、話の途中で行ってしまった。
エース「…っ……、」
サッチ「……、」
*
*
数週間後。
あれから進路が変更され例の島の近くでモビーは止まっていた。
エース「……」
サッチ「おーい、エースー」
エース「……」
サッチ「ハァ…、(駄目だなこれ…)」
あの後から、海斗とエースは喋らなくなってしまった。
海斗達は今、白ひげと何人かの船員たちと共に例の島へ行ってしまったそうだ。
そんな中、エースは島に行かずここでボーっとしていた。
一方サッチはお人好しなのかエースを一人残して行けず、さっきから構いっ放し。
すると…、
ッガンガンガン!!
エース「っうるせェよ!?」
サッチ「お前が辛気臭ェ顔してっからだろうが!!」
サッチはキッチンからフライパンとオタマを取り出し、エースの耳元で思いっきり鳴らした。
そのおかげか、やっとエースが口を開いた。
エース「お、俺は…っ」
サッチ「お前は今、何がしてェんだ?」
エース「う…っ、」
サッチはオタマをエースに向けながら言った。
サッチ「黙ってボケーッとしてるなんてな、お前らしくねェしむしろ気持ち悪いっての!!
行動しろ行動!!!!」
エース「……!!」
エースはハッとし、サッチの目を見た。
すると拳を握り、立ち上がってどこかへと去ってしまった。
サッチ「…ったく、」
世話が焼けんな…、と呟きながらサッチもエースについて行った。