異世界の扉

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エース「…カイト、」


海斗「ん?」



海斗が帰ってしまうかもしれない、という船内の情報を聞いたエース。

帰って来れるか分からない…それでも、海斗は行くと決めたらしい。



エース「本当に、行っちまうのかよ…?」


海斗「…そりゃ、帰って来れるか分からねェけど」


エース「……何で…だよ、あんな…っ、」


海斗「まぁ…ね、」



あんな家族に、
会う必要はない……。


でも…、



エース「分かってんなら…、次何されっか分かんねェんだぞ…!?」


海斗「……でも一応、父親は向こうにはいないし…」


エース「まだあの野郎以外いるんだろ…っ?
止めとけよ!お前にもしもの事があったら「それでも!!」!」


海斗「それでも…、
オレが生まれて、オレがここに居られるのは…っ、あの家族のおかげでもあるから…!!」


エース「……!!」


海斗「だから「カイト」!」



海斗とエースが話をしていると、横から声が聞こえた。



サッチ「親父が呼んでたぜ」


海斗「あ…、ぅん」



海斗はサッチにそう言われ、話の途中で行ってしまった。



エース「…っ……、」


サッチ「……、」








数週間後。

あれから進路が変更され例の島の近くでモビーは止まっていた。



エース「……」


サッチ「おーい、エースー」


エース「……」


サッチ「ハァ…、(駄目だなこれ…)」



あの後から、海斗とエースは喋らなくなってしまった。


海斗達は今、白ひげと何人かの船員たちと共に例の島へ行ってしまったそうだ。

そんな中、エースは島に行かずここでボーっとしていた。


一方サッチはお人好しなのかエースを一人残して行けず、さっきから構いっ放し。

すると…、




ッガンガンガン!!



エース「っうるせェよ!?」


サッチ「お前が辛気臭ェ顔してっからだろうが!!」



サッチはキッチンからフライパンとオタマを取り出し、エースの耳元で思いっきり鳴らした。


そのおかげか、やっとエースが口を開いた。



エース「お、俺は…っ」


サッチ「お前は今、何がしてェんだ?」


エース「う…っ、」



サッチはオタマをエースに向けながら言った。



サッチ「黙ってボケーッとしてるなんてな、お前らしくねェしむしろ気持ち悪いっての!!

行動しろ行動!!!!」


エース「……!!」



エースはハッとし、サッチの目を見た。

すると拳を握り、立ち上がってどこかへと去ってしまった。



サッチ「…ったく、」



世話が焼けんな…、と呟きながらサッチもエースについて行った。
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