妖狐の焔
□1、放浪者
1ページ/3ページ
ーーここは“偉大なる航路”
その海にポツリと水上バイクがあった。
今はのんびりと波の気分によりゆらゆらと漂っている。
そのバイクに青年と少年の2人が‥、
ロール「ぐがーZzz‥」
?「スゥ‥Zzz、」
眠りについていた。
青年の名はロール。
白ひげ海賊団の副船長である。
さて、少年の素性と何故ロールとその少年だけが海にポツリといるのか‥。
それは数日前に遡る。
*
*
ロール「………、」
フィレス「?‥副船長、どうしたんですか?」
ロール「……フィレス」
フィレス「はい?」
ロール「‥遊園地、行きたくね?」
フィレス「………へ?」
思わず目が点になるフィレス。
真剣に何かを考えているようだから聞いてみたら遊園地って‥。
フィレス「あ、あの‥どうしたんですか?」
ロール「だから、遊園地だって。俺は遊びたいんだよ」
ちなみにロールは今年で20歳です。15歳のあの頃ではありません。
フィレス「‥」
どう応えたらいいか分からなくなったフィレスであった。
ロール「多分みんなに言っても行ってくれる奴らいねェと思うんだよな。‥楽しいのに」
フィレス(みなさん大人ですから……、)
それ以前に皆海賊ですから。
白ひげ海賊団ですから。
んな事したら遊園地どうなると思ってる。
ロール「だから、修行の旅って言って許可もらって、行こうと思うんだ」
フィレス(目がいつも以上に真剣だ……、)
あくまで心の中でツッコむフィレスであった。
ロール「フィレスも行くか?」
フィレス「え?あ‥それが今日からイゾウ隊長と遠征に行く事に……、」
ロール「ん?ああ、そういやそうだったな」
あれ、お前一応2番隊だよな?
イゾウなに誘ってんだよ‥。
ロール「んじゃ、ちょっくら親父に許可もらって来よ〜」
フィレス「本当に行くんですか;」
その後、話は筒抜け、というよりロールは口を思わず滑らせてしまい、一発殴られてしまいました。
白ひげ「何考えてんだてめぇは‥、」
ロール「痛ッ〜、」
ラクヨウ「遊園地って‥」
サッチ「真剣に聞いた俺がバカだった‥」
ロール「何だよー、遊園地のどこが悪ィんだよ〜」
マルコ「呆れるよい、」
ビスタ「まぁな‥、」
みんなが呆れている中、1人だけ食いついた者がいた。
それは‥、
?「僕も遊園地行きたーい、」
ロール「だろ!さすがハルタ!!」
最近、12番隊隊長に選ばれたばかりの最少年のハルタであった。
ラクヨウ「あのな‥、」
ロール「行きたい!」
ハルタ「いきたーい!」
うるささが倍になり、ぴしぴしと怒りマークが出る中、白ひげは‥、
白ひげ「なら2人で言って来い、」
『!!!?』
ロール「マジで!」
ハルタ「やったー!」
マルコ「お、親父!?」
サッチ「いやいや、いくら何でも2人って!!
第一、ロール!お前狙われてんだぞ!?」
ロール「大丈〜夫!俺強いし、」
根拠になってねェエ!!とサッチが叫んでいた、その時‥、
白ひげ「ただし、場所は俺が決める」
『…へ?』
ロール「え?ちゃ、ちゃんと遊園地ある場所だよな?」
白ひげ「あァ‥。
“シャボンディ諸島”
ここに行け、」
『はぃいイイ!!?』
ロール「面白そ〜な名前だなァ!」
『ちょっと待てェエ!!』
もう反対の隊長たち。
だがその反対は虚しくも反論出来ずにロールとハルタは今に至る。
ロール「ぐー‥Zzz」
ハルタ「‥スゥ…Zzz、」
2人は未だに眠っていた
一応“偉大なる航路”なんだからいい加減起きてほしいモノである。