妖狐の焔

□1、放浪者
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ーーここは“偉大なる航路”


その海にポツリと水上バイクがあった。
今はのんびりと波の気分によりゆらゆらと漂っている。

そのバイクに青年と少年の2人が‥、



ロール「ぐがーZzz‥」


?「スゥ‥Zzz、」



眠りについていた。

青年の名はロール。
白ひげ海賊団の副船長である。


さて、少年の素性と何故ロールとその少年だけが海にポツリといるのか‥。


それは数日前に遡る。








ロール「………、」


フィレス「?‥副船長、どうしたんですか?」


ロール「……フィレス」


フィレス「はい?」


ロール「‥遊園地、行きたくね?」


フィレス「………へ?」



思わず目が点になるフィレス。
真剣に何かを考えているようだから聞いてみたら遊園地って‥。



フィレス「あ、あの‥どうしたんですか?」


ロール「だから、遊園地だって。俺は遊びたいんだよ」



ちなみにロールは今年で20歳です。15歳のあの頃ではありません。



フィレス「‥」



どう応えたらいいか分からなくなったフィレスであった。



ロール「多分みんなに言っても行ってくれる奴らいねェと思うんだよな。‥楽しいのに」


フィレス(みなさん大人ですから……、)



それ以前に皆海賊ですから。
白ひげ海賊団ですから。
んな事したら遊園地どうなると思ってる。



ロール「だから、修行の旅って言って許可もらって、行こうと思うんだ」


フィレス(目がいつも以上に真剣だ……、)



あくまで心の中でツッコむフィレスであった。



ロール「フィレスも行くか?」


フィレス「え?あ‥それが今日からイゾウ隊長と遠征に行く事に……、」


ロール「ん?ああ、そういやそうだったな」



あれ、お前一応2番隊だよな?

イゾウなに誘ってんだよ‥。



ロール「んじゃ、ちょっくら親父に許可もらって来よ〜」


フィレス「本当に行くんですか;」



その後、話は筒抜け、というよりロールは口を思わず滑らせてしまい、一発殴られてしまいました。



白ひげ「何考えてんだてめぇは‥、」


ロール「痛ッ〜、」


ラクヨウ「遊園地って‥」


サッチ「真剣に聞いた俺がバカだった‥」


ロール「何だよー、遊園地のどこが悪ィんだよ〜」


マルコ「呆れるよい、」


ビスタ「まぁな‥、」



みんなが呆れている中、1人だけ食いついた者がいた。

それは‥、



?「僕も遊園地行きたーい、」


ロール「だろ!さすがハルタ!!」



最近、12番隊隊長に選ばれたばかりの最少年のハルタであった。



ラクヨウ「あのな‥、」


ロール「行きたい!」


ハルタ「いきたーい!」



うるささが倍になり、ぴしぴしと怒りマークが出る中、白ひげは‥、



白ひげ「なら2人で言って来い、」


『!!!?』


ロール「マジで!」


ハルタ「やったー!」


マルコ「お、親父!?」


サッチ「いやいや、いくら何でも2人って!!
第一、ロール!お前狙われてんだぞ!?」


ロール「大丈〜夫!俺強いし、」



根拠になってねェエ!!とサッチが叫んでいた、その時‥、



白ひげ「ただし、場所は俺が決める」


『…へ?』


ロール「え?ちゃ、ちゃんと遊園地ある場所だよな?」


白ひげ「あァ‥。
“シャボンディ諸島”
ここに行け、」


『はぃいイイ!!?』


ロール「面白そ〜な名前だなァ!」


『ちょっと待てェエ!!』



もう反対の隊長たち。
だがその反対は虚しくも反論出来ずにロールとハルタは今に至る。



ロール「ぐー‥Zzz」


ハルタ「‥スゥ…Zzz、」



2人は未だに眠っていた

一応“偉大なる航路”なんだからいい加減起きてほしいモノである。
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