妖狐の焔
□40、夜
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ガープ「………」
「ガープ中将、お食事のご用意が…」
ガープ「ああ……、」
海兵に言われ、ガープはふぅ…と溜め息をついた。
海兵は先に失礼して、ガープも部屋を出る事にした。
《ーーにっ、苦手以上に“大好き”》
ガープ「!!!?」
バ…ッ、
急に響いた声…。
けれど後ろを振り向いたが、誰も居なく部屋はガープ1人。
ガープ「……、」
(ロール:ふぁ〜あ、ルフィ寝ちまったな)
(ルフィ:Zzz…)
(マキノ:そうね、)
(ロール:まぁ疲れはジジィの所為が大半だけどな)
(マキノ:ふふっ、でもそれでも修行は止めないわよね)
(ロール:まぁ強くなる為だし、でもおれ頑張ってもジジィに勝てねェんだよなぁ…)
(マキノ:ガープさんは強いものね)
(ロール:ライオンの生まれ変わりだろうな、谷底に落とすし)
(マキノ:……、ロールはガープさん好き?)
(ロール:へ…?
……んん〜、好きより、苦手だな)
(マキノ:あら…そうなの?)
(ロール:……でもまぁ、)
(マキノ:?)
(ロール:苦手以上に、“大好き”)
(マキノ:!)
(ロール:じゃなかったら修行に付き合ったりしないって)
(マキノ:ふふっ、そう)
(ガープ:……(ったく…生意気言いおって))
(ロール:ま、だからと言って海兵にはならないけど)
(ガープ:好きならならんかいっ!!)
(ロール:げっ!?ジジィっ!!? ま、まさか聞いてたのかよ!?)
(ガープ:ふんっ!お前もルフィも立派な海兵になるんじゃっ!!)
(ロール:誰がなるかよ〜だ!)
(ガープ:っ〜!!待たんかロールゥウウ!!!)
(ロール:べー、だ!)
ガープ「……バカ言いおって…、」
ガープはぼそりと言い、何かが吹っ切れたかのように息を吐いた。
「……?、あのガープ中将…」
ガープ「ああ、今行くわい」
……例え、進む道が違った方向でも、もう過ぎてしまった事…。
お前が生きた道がそれで良かったのなら…、もうわしは何も言わん。
次にお前がこの世に生まれ変わるその時までに、お前が再び幸せになれる時代をわしは望む…。