妖狐の焔
□38、悲叫び
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ここはとある島‥。
ルフィの他に、既に上陸している者たちもいる。
ラクヨウ「……おい、いつまで居るつもりだよ?」
ハルタ「ほっといて…」
ラクヨウとハルタもその中の一人である。
ハルタとラクヨウは木を挟んで、背中同士で話していた…。
マリンフォードからここに来るまでも、ハルタは同じ言葉しか言わなくなり、涙もあの日から無くなった…。
もう、涙は枯れた。
悲しみも超えてしまい、殻に閉じこもり状態であった……。
そんなハルタをずっと気にかけるラクヨウ。
ラクヨウも特に悲しみを見せない…。
いや…、ハルタと居る事で、悲しみを心に隠してるだけなのか……。
本当は泣きたいし、叫びたい………それは誰だってそうなのかもしれない。
でもそれは、何をしても叶わない。
どんなに願っても、どんなに悲叫んでも…何も戻っては来ない……。
*
*
ルフィ「うわぁああァアアアアア!!!」
(ロール:いいか、おれはロール。お前の兄ちゃんなんだぞ)
(ルフィ:ロ…? にー、に?)
(ロール:ロール。分かるか?)
(ルフィ:ロ、ロ…、ロール?)
(ロール:!、そ、そうだ!すげェぞルフィ!!)
(ルフィ:ロール‥ロール!)
(ロール:ししっ!完璧だな!!)
(ルフィ:……ししっ!)
ドカーン!!
ドカーン!!
泣き狂い、泣き叫び、暴れ回った…。
体に巻きつけてある包帯に血が滲む。
拳がどんどん赤くなり、皮が剥ける。
喉が枯れて、時には血を吐きそうになる。
走りっぱなしで足がズキズキし出し、マメが出来る。
だが、たとえ体がボロボロになろうとも…ジンジンと傷が響こうとも、ルフィは暴れ回るのを止めなかった。
エース「すぅ…、ルフィ!!」
ルフィ「!!」
そんな事をやっていると、遠くからエースの声が聞こえルフィは振り向いた。