妖狐の焔

□32、決戦
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北方面。



レイス「………」


ウルフ「ん……?」



ぐらり…っ、


……と‥、




ウルフは急に足が崩れた。
レイスは力が弱まったウルフから抜け出し、着地した。




レイス「何だ、やっと効いて来たのか‥?」


ウルフ「何‥っ!!?」


レイス「やっぱ、お前でかブツだからコレに気づかねェし、効くのも遅いな」



レイスが持っているのは…注射。
それも一本ではなく数本であった。


つまり、蹴りをいれていただけではなく、注射も打っていた事になる。




ウルフ「何を打ったん、だ…?!」


レイス「さぁな…。色々あるから……一本ずつ違う症状でるかもな」


ウルフ「!!?……、思い出したぞ。お前、“刺蹴り”だな!?」


レイス「さぁ…? そういやそんな異名あったな」




“刺蹴り”……白ひげ海賊団の中でそんな異名を持つ者がいた。

普段は蹴りで相手を撃破していたが、とある相手には何故か体に何かを刺した後があった。


蹴りだけでも殺人級なのに、何かで刺してぶっ倒す……それが“刺蹴り”



レイス「本当は蹴りだけで良かったが……俺はムカつく野郎には手ェ抜けねぇ質(たち)なんでな、」


ウルフ「っ!! 白ひげの右腕とも呼ばれつったてめェが、副船長じゃ‥ねェ、なんて……」


レイス「俺は隊長より上には興味ないんでね…」





ズドーン‥!!




ウルフは、症状が完全に廻ったのか倒れた‥。




レイス「…だいたい、副船長はあいつで十分。
俺は隊長でも、家族を守れりゃそれでいいんだよ」




からから、から‥っ、



レイスは注射を落とした‥。


落ちた注射の中身は殆どカラ。

レイスは最初に打った、ある薬以外は全て空の注射を打っていたのだ。




レイス「でかブツだから、神経麻痺で痛みを無くし、蹴りまくっていたが……中々倒れねェわ、骨何本かいくわで…もうやりたくねェな、これ」





北方面
勝者:レイス
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