妖狐の焔
□27、夜
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ーーそして、ラクヨウとは反対にいる方向にも、夜空を見上げている者がいた。
サッチ「………」
サッチであった。
サッチはどこか微笑ましく夜空を見上げていた。
そこに‥、
マルコ「何してんだよい、」
サッチ「!、マルコ‥」
マルコ「今日見張りじゃねェだろい? 夜空見上げて何ニヤニヤしてたんだい?」
サッチ「ぶっ‥!! そこまでにやけてねェよ!」
マルコ「じゃあ何してたんだよい?」
サッチ「……昔、」
マルコ「?」
サッチ「昔も夜空見上げてた時、ロールが傍に来てよ‥」
(ロール:何してんだサッチ?)
(サッチ:あ? 別に、星見てるだけだよ、)
(ロール:星か〜)
(サッチ:ああ、‥星ならただ宙に浮いてるだけでいいからよー。仕事もねェし、)
ただ仕事したくないだけだろ‥。
(ロール:何言ってんだサッチ! 星だって仕事してんだぞ!!)
(サッチ:何の仕事だよ‥)
(ロール:知らないのか?星に対して知識ないのか?)
(サッチ:(何かうぜェ‥)そういうなら、お前は星に対して何知ってんだ?)
(ロール:んっと‥、星ってのは死んだ奴が、ピカピカって地上のみんなに元気をあげに来てんだぞ)
(サッチ:……は?)
(ロール:夜は暗いからな。落ち込んでる奴は星を見るのが一番なんだ!)
(サッチ:・・・・・。 それ、誰かに教わったのか?)
(ロール:ん?ラクヨウが教えてくれた)
(サッチ:(あいつは一体ロールに何を教えてんだよ‥、))
(ロール:ラクヨウいっぱい色んな事教えてくれんだぞ〜。 イカサマっていうやり方とか、夜の遊びとか、博打とか(んなもんすぐに忘れろォオオ!!!))
マルコ「・・・・・・」
サッチ「まぁ最終的に最後のは忘れてくれたけどよ‥、」
マルコ「………」
サッチ「…えっと‥、まぁ星見てちょっと思い出してたって話」
マルコ「星ねい…、」
サッチ「ま、今どう思ってんのかは知らねェけど」
マルコ「覚えてなくてもいいけどよい、」
サッチ「まぁラクヨウが教えた事だしな‥」
苦笑いを浮かべながら、サッチは再び夜空を見上げた。
ーー星か‥。
星になれば、あいつの居場所も、すぐに分かるかもしれねェのにな……。