妖狐の焔
□27、夜
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ー夜ー
ハルタ「………」
1人寂しく船尾に座っているハルタ。
顔を伺えなく、元気もないようだ。
だが、これは前からである……。ロールが姿を消したあの後から‥。
スタスタ‥、
ハルタ「……」
ラクヨウ「なァにしてんだ?」
甲板方向から来たのはラクヨウであった。
ハルタ「‥ほっといて」
ラクヨウ「どーせロールの事だろ?」
ハルタ「うるさいな‥っ」
ハルタは図星なのか、ギュッと自分の服を握っていた。
ラクヨウ「……別にあいつは無事だって言ってただろ?」
ハルタ「………」
ラクヨウ「フー……、一目見ねェと嫌か?」
ハルタ「っ、何だっていいでしょ?! 向こう行ってよ‥っ」
ラクヨウ「別に俺の勝手だろ〜」
ハルタ「っ……、」
タッタッタ‥、
ラクヨウが動かないからか、ハルタは自ら走ってその場を去ってしまった‥。
ラクヨウ「…ったく、」
世話のかかるヤツだな‥
ラクヨウはため息をつきながら夜空を見上げていた‥。