妖狐の焔
□18、命の炎
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アストン「失礼ながらお前さん…“幻妖種”かの?」
ロール「!!?……何で知ってんだ‥?」
アストン「お前さんの背中の傷を見てな‥。あいつは何とも思わなかったみたいだが、わしの目はごまかせられん」
ロール「あいつ?」
アストン「ん?あぁ、バカ息子じゃよ」
ロール「;」
……何故さっきからバカを付けてんだ‥?
アストン「わしらの時代にそういった能力者が現れての‥、」
ロール「………それとこの傷、関係あるのか?」
アストン「ん?…何じゃ、“命の炎”を知らんのか」
ロール「?、何それ?」
アストン「!‥ははっ、まさか知らんで使えたとはな。さすがと言うべきか」
ロール「いや笑ってないで教えてよ、」
アストン「しかしな‥。
……白ひげに何も聞かされとらんのじゃろ?」
ロール「え?あぁ‥、親父は……」
(ロール:なぁ親父、)
(白ひげ:あ?)
(ロール:親父って“幻妖種”の事知ってんだろ?)
(白ひげ:……それがどうした?)
(ロール:おれ自分の能力の事、よく知らねェからさ‥。ジジィやセンゴクに聞いても教えてくれなくてよ。親父なら教えて(ロール、)ん?)
(白ひげ:それについて、深追いはするんじゃねェ)
(ロール:……ぶー‥、)
ロール「……」
あの時は、ああ言われて、結局まぁいいかって事になったんだよな‥。
ロール「…えっと、アストン‥さん」
アストン「ん?」
ロール「知ってる限りの事、全部俺に教えてくれねェか‥?」
自分の事なのに、自分の能力の事なのに……何も知らねェままなんて、俺は嫌だ。
アストン「………仕方ないの‥、」
ロール「!」
アストン「………まず、“幻妖種”の大抵な事を知っておるかの?」
ロール「ん?あぁ‥、悪魔と妖怪が混ざってんだろ?」
アストン「ああ。そのおかげか、緑の炎‥そして、“黄色の炎”が出るんじゃ」
ロール「……え?黄色? 緑はともかく、黄色なんて‥」
アストン「出るんじゃよ。まぁ、もっともそれは特殊な炎じゃがな」
ロール「特殊?」
アストン「黄色の炎‥別名がさっきわしが言った、“命の炎”じゃ」
ロール「命の…炎……、」
アストン「“命の炎”は、自分以外の怪我や病気が綺麗さっぱり消える」
ロール「!!、え?マジで!?「じゃが…」あ?」
アストン「その消えた傷は全て、お前さんの所に行く」
ロール「!!!」
アストン「…まぁ、結局は自らを滅ぼす緑色の炎と変わりないという事じゃ」
ロール「……」
……ああ‥、
だから親父たちは何も教えてくれなかったんだ。
教えたら俺が‥、
みんなを、自分を犠牲にしてまで治しちまうだろうから……。