妖狐の焔

□17、医者
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誰かが近づいて来る‥。


フィレスは銃を持ちながら、その誰かが来るのを待っていた。




フィレス「っ……」


?「ーーん?」




現れたのは1人の男。
タバコを吹かしていて、年は30代ぐらいだろうか。

だが、まだ敵ではないとは言えない‥。




?「こんな所で何してんだ?」


フィレス「え…、その‥」


?「ん‥?ーー!!!?」




男はロールを見た瞬間、目つきを変えた‥。

すると、男はロールに近づいた。



フィレス「ッ、あの‥何ですか?」


?「いいから診せろ。俺は医者だ」


フィレス「えっ…!?」


?「………」




男はフィレスを退かし、ロールを診た。

火傷、刺さり傷、切り傷……何より、海水に浸かり過ぎて傷が炎症を起こしている。


男はある程度、持ち合わせていた物でロールを手当てをした。



フィレス「あの‥、」


?「応急措置をした。だがこれじゃあロールの身が危険だ、俺の家に来い」


フィレス「あなたは一体‥!?」


?「俺はレイス。詳しい話は後だ!とっとと運ぶぞ」


フィレス「は、はい!」





フィレスにとって、この男が何者かは分からない……けれど今頼れるのは医者と名乗ったレイスしかいない。

フィレスはロールを連れ、レイスの家に来たのだった‥。









フィレスが、そのレイスと名乗った男が白ひげ海賊団の元2番隊隊長だった事を知ったのは次の日の事だった‥。



レイス「ーーまさか、ティーチの野郎が、んな事するとはな‥」


フィレス「………」


レイス「あいつは確かに、俺がいた時も何考えてんのか分からん奴だった」


フィレス「‥そう、何ですか……」



フィレスは聞いているのかいないのか分からない返事をしていた‥。



レイス「…………心配しなくたって、ロールはもう大丈夫だよ」


フィレス「‥分かってます……けど‥、」


レイス「…」




それでも、心配なんです……と、フィレスは言った。

その後、しばらく沈黙が続いていたのだった‥。
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