妖狐の焔

□15、目覚めた
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ピチャ‥、
……チャ‥、




フィレス「……ん‥っ、」



額に水のようなものが当たり、気が付いたフィレス。

ゆっくりと体を起こしていた。



フィレス「こ、こは‥?」



辺りを見るとここは洞窟‥というか、鍾乳洞?
傍に水があって、深そうだ。多分海に繋がっているのだろう。


辺りを見回したフィレス。すると横には‥、




フィレス「!!、副船長!!!」



ロールが横たわっていた。
すぐに意識を確認したフィレス。


一応、息はしているが、とても深い呼吸だ。

危険な状態である‥。




フィレス「どこかに運ばないと………ん?」




海に繋がってそうな水場に、何かがいる。

微かだが波が出て、こちらに浮かんで来そうだ。


フィレスは武器を構えた。



すると……、




バシャッ!


?「ふぅ‥。やっと戻ってこれたよ〜」


?「お前が寄り道ばかりするからだろ!ケイミー!!」


ケイミー「だって‥。パッパクだってそうじゃーん……」


パッパク「おれは違ェよ!ただ綺麗な魚がいたから‥」




いきなり現れたのは女の子と………ヒトデ?

けれど何で水の中から?

とりあえず、危険そうじゃないみたいだから、銃をしまおうか‥。




ケイミー「!、パッパク!あの人、目覚ましてるよ」


パッパク「何ィイ!?に、逃げた方がいいんじゃねェか!!?」




……何でヒトデが喋ってんだろう‥。

‥いや、今はそれどころじゃない。




ケイミー「大丈夫だよ。
それにこの人、怪我してるし;」


フィレス「……あの、あなた‥方は一体?」


ケイミー「ん?私はケイミー。こっちはペットのパッパク、私の師匠なんだよ」




ペットで師匠‥?
え?結局どっち‥?




ケイミー「それより、そこの人大丈夫?;」



と、ケイミーは陸に上がろうとした。



パッパク「ケ、ケイミー!!陸に上がるんじゃっ」


フィレス「ーー!!」



ケイミー「え?……あっ!!」




ケイミーの下半身は足では無く尾鰭(おひれ)

つまりケイミーは‥、




フィレス「人魚‥、」


ケイミー「んー‥。ま、いっか!」


パッパク「よくねェよ!?
見られちまったんならとっとと逃げるぞ!!」


ケイミー「えー、でもこの人たち、悪い人に見えないし‥;」


パッパク「いいから!」


ケイミー「あ!待ってよー!!」



ケイミーは再び水場へ




フィレス「あ、あの‥、」


ケイミー「ん?」


フィレス「助けてくれてありがとうございます、」


ケイミー「あ、うん!
そうだ、その先に行くと村があるから、多分そこならお医者さんいるよ!」


フィレス「!!、ありがとうございます!」


ケイミー「その人、助かるといいね」




バイバーイと、ケイミーは水の中に潜って行った


フィレスはその後、ロールの傷に触れないように運ぼうとした。



ザ‥ザッ……、



フィレス「!!!」




すると、今度は鍾乳洞の奥から誰かが近いて来る音がした。

今度こそ、敵かもしれない……。


フィレスは再び銃を構えていた‥。
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