妖狐の焔

□11、3年後
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そんなある日‥、



サッチ「ロール、ロール!見てくれ!!」


ロール「あ?」



今日も敵船退治があり、でも俺はやる事があったから出れなかったんだけどよ。今日は4番、7番隊だったな。

で、サッチが敵船から帰って来て何かを持っていたんだ。


ぐるぐる模様の変わった実……それはまさしく、



ロール「悪魔の実?」


サッチ「おう!敵船で見つけたんだ」


エース「へー、」


サッチ「まぁ、まだ何の実かは分からねェけどな」


ラクヨウ「食べんのか?」


サッチ「いや、食わねェ」


ロール「えー、何でー?能力者嫌なのか?」


サッチ「あのな、俺が食ったら誰が海に落ちたてめぇらを助けんだよ?」


ロール「!」



ロールは少し口が緩んでいた。



ラクヨウ「じゃあそれどうすんだ?」


サッチ「売っちまおうかなって思ってる」


ティーチ「!」


ラクヨウ「お!じゃあ売れたら6割くれ」


ハルタ「あ、じゃあ僕は4割でいいよ」


サッチ「おーそうか、て!!俺何も残んねぇじゃねェかよ!!?」


ティーチ「………」






ー夜ー


ザァアアア‥、



ロール「すんげェ雨だな‥」


ビスタ「さっきまで晴れてたのにな‥、」




ーーゴロゴロ!!



ハルタ「ぅ‥!!」ギュッ


ロール「ん?」


ハルタ「か、かみなり‥」


ロール「ああ…。大丈夫だって、」



‥今、モビー・ディック号が進んでいる海域は嵐に近いモノ。

だが、雨が降る上に雷が鳴っているならば嵐と言っても過言ではない。


皆は船内に避難。ロールたちは食堂に居た。



サッチ「ハァ〜……ァ、」



サッチはハルタに抱きつかれているロールを見て溜め息をついていた。



ラクヨウ「何だ、ヤキモチか?」


サッチ「お前は黙っててくれ‥、」






ーーバタ‥ッ、



イゾウ「おいフォッサ、そこの布巾取ってくれ!」


フォッサ「ん?」


イゾウ「エースがメシにまた突っ込んだんだ、」


エース「ぐがー…、」







マルコ「ったく、騒がしい奴らだねい‥、」


フィレス「ははっ、」



本を読むマルコに武器を磨いているフィレス。

ここが一番静かであろう。



ロール「…ん?」


ハルタ「Zzz‥、」



ハルタはロールの膝を枕に、スヤスヤと眠っていた。



ロール「ん、ちょっとハルタをベッドに連れて行ってくるわ」


ビスタ「そうか、」



ロールはハルタを抱き上げ、食堂の出入り口に行き、食堂を出た。







ーーまさか‥、




ティーチ「サッチ隊長、」


サッチ「ああ?」


ティーチ「ちょっと、いいか?」


サッチ「あ?」




この温けぇ団欒が、最後だったなんて‥この時は思いもしなかったーー。
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