妖狐の焔
□11、3年後
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そんなある日‥、
サッチ「ロール、ロール!見てくれ!!」
ロール「あ?」
今日も敵船退治があり、でも俺はやる事があったから出れなかったんだけどよ。今日は4番、7番隊だったな。
で、サッチが敵船から帰って来て何かを持っていたんだ。
ぐるぐる模様の変わった実……それはまさしく、
ロール「悪魔の実?」
サッチ「おう!敵船で見つけたんだ」
エース「へー、」
サッチ「まぁ、まだ何の実かは分からねェけどな」
ラクヨウ「食べんのか?」
サッチ「いや、食わねェ」
ロール「えー、何でー?能力者嫌なのか?」
サッチ「あのな、俺が食ったら誰が海に落ちたてめぇらを助けんだよ?」
ロール「!」
ロールは少し口が緩んでいた。
ラクヨウ「じゃあそれどうすんだ?」
サッチ「売っちまおうかなって思ってる」
ティーチ「!」
ラクヨウ「お!じゃあ売れたら6割くれ」
ハルタ「あ、じゃあ僕は4割でいいよ」
サッチ「おーそうか、て!!俺何も残んねぇじゃねェかよ!!?」
ティーチ「………」
*
*
ー夜ー
ザァアアア‥、
ロール「すんげェ雨だな‥」
ビスタ「さっきまで晴れてたのにな‥、」
ーーゴロゴロ!!
ハルタ「ぅ‥!!」ギュッ
ロール「ん?」
ハルタ「か、かみなり‥」
ロール「ああ…。大丈夫だって、」
‥今、モビー・ディック号が進んでいる海域は嵐に近いモノ。
だが、雨が降る上に雷が鳴っているならば嵐と言っても過言ではない。
皆は船内に避難。ロールたちは食堂に居た。
サッチ「ハァ〜……ァ、」
サッチはハルタに抱きつかれているロールを見て溜め息をついていた。
ラクヨウ「何だ、ヤキモチか?」
サッチ「お前は黙っててくれ‥、」
*
ーーバタ‥ッ、
イゾウ「おいフォッサ、そこの布巾取ってくれ!」
フォッサ「ん?」
イゾウ「エースがメシにまた突っ込んだんだ、」
エース「ぐがー…、」
*
マルコ「ったく、騒がしい奴らだねい‥、」
フィレス「ははっ、」
本を読むマルコに武器を磨いているフィレス。
ここが一番静かであろう。
ロール「…ん?」
ハルタ「Zzz‥、」
ハルタはロールの膝を枕に、スヤスヤと眠っていた。
ロール「ん、ちょっとハルタをベッドに連れて行ってくるわ」
ビスタ「そうか、」
ロールはハルタを抱き上げ、食堂の出入り口に行き、食堂を出た。
ーーまさか‥、
ティーチ「サッチ隊長、」
サッチ「ああ?」
ティーチ「ちょっと、いいか?」
サッチ「あ?」
この温けぇ団欒が、最後だったなんて‥この時は思いもしなかったーー。