妖狐の焔

□8、副船長
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ー船首ー


ロールを追いかけたら船首に来た。

‥いつもの場所ってここなのか?


俺は海を見ているロールの傍によった。



エース「……ん?」


ロール「Zzz‥、」



違った。
寝ていた(あぐらで)


随分と器用に寝てんな‥よっぽど疲れたのか?

…………そういや、ロールが昼寝してる姿なんて初めて見た気がする‥


ガキの頃はロールが修行か料理してる姿しか見てなかったし‥。

昼寝の時も見た覚えねェし‥俺らが寝るまで待ってた?

それとも偶々なのか‥?



ロール「……ん‥、」


エース「!」


ロール「んん‥あれ?エース?」


エース「あ‥悪ィ、起こしちまったか?」


ロール「いや‥。
あぁやべ、いつの間にか寝てた……、」


エース「………」


ロール「……?どうしたエース?」


エース「え?あ‥いや、ロール何か変わったなって」


ロール「ん?俺は変わったつもりはねェけどな‥」


エース「んん、何か……多分、副船長だからってのもあるけどよ」


ロール「まぁ、8年ぐらい経ってるし何か色々と加算はしただろうな」


エース「………それでも俺は‥何か、近寄り難(がた)いっていうか‥」


ロール「何だそれ‥。俺はそうは思わねぇけどな?」


エース「……」


ロール「だいたいな、エース。ここは家族が集う場所だぞ」


エース「!……、」


ロール「近寄り難いとか、んな難しい事考えるな!」


エース「‥」


ロール「ししっ!気楽で良いんだよ、ここはさ」


エース「………ロール」


ロール「ん?」


エース「11時の方向、敵船来てんぞ」


ロール「ありゃ?」



‥俺はロールの話を聞いて自然と微笑んでいた。

ロールの話は、いつも温かいモノが帰って来る。
本当温かくて、力強い言葉ばかりだ……。


俺はいつか、ロールを支えられる位の奴になりてェ……周りの奴らを見てて、そう思ったーー。
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