妖狐の灯

□22、部下
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ー船尾ー


フィレス「………、」



家、族……か‥。



ロール「あ、またここにいた」


フィレス「!」



フィレスが船尾で顔を伏せながら座っていると、ロールが来た。
片手は包帯で処置をしたようだ。



ロール「ったく、大げさなんだよなぁ、あいつら」


フィレス「…あ‥す、すいませんでした」


ロール「何が?」


フィレス「僕の所為で…その、」


ロール「だからさっき言ったろ?家族助けんのは当然だってーの、」


フィレス「………、」


ロール「怪我したのも対処法がそれしか浮かばなくてよ。まぁ、敵ぶっ飛ばせば良かったんだけどな」


フィレス「…、」


ロール「さっき親父に怒られちまってよー、
危うく拳骨もらうところだったわ」


フィレス「………あの‥、」


ロール「あ?」


フィレス「やっぱり納得出来ません…、」


ロール「……、」


フィレス「何で、会って間もないのに、助けたんですか‥?」


ロール「間もないからって助けちゃいけねェ義理はねぇだろ?」


フィレス「それは……、」


ロール「何かを守りてェのに理由なんていらねぇ。ただ守りたいから守る、それで良いじゃねェか!」


フィレス「…、」


ロール「それは家族も一緒だろ?」



ロールは笑顔でフィレスに言った。



フィレス「………、」





本当に‥この人は……、

家族、か…。
僕にもいつか、誰かを守る事が出来るのかな‥、




ーーでも、この想いは半端じゃない
それだけは確かだ。


海賊…、考えてもみなかったけど僕はこの人のようになりたい‥。
きっとこれは半端な覚悟じゃ無理だろうな。






でも僕は決めたんだ。
海賊‥"白ひげ海賊団゙に誘ってくれて、居場所をくれたこの人をいつか、僕の手で守ってやりたいってーー。
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