妖狐の灯
□21、視点変更
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ロール「理由……理由ねェ‥、」
フィレス「………、」
ロール「んー。ああ、直感で誘った!」
フィレス「……へ?」
ロール「だから、直感で誘った」
フィレス「直、直感、ですか…」
ロール「おう、それにお前なんか俺に似てるトコあるし」
フィレス「え‥?」
ロール「あ、ちなみに昔の俺な。なんかこう‥居場所がねェっていうか、」
フィレス「居、場所‥?」
ロール「おう。俺も昔、海軍に居た頃は居場所と呼べる場所はなかったな」
フィレス「か、海軍‥!?」
ロール「今は海賊だけどな。無理やりジジィに入れられてよ、まァ上手く逃げ出してやったけどよ」
フィレス「ぁ……、」
無理やり……。この人の言う通り、同じ‥なのかな……。
ーーいや‥、
でも僕は逃げ出す事なんか出来なかった。
逃げ出しても、帰る場所もないし……何よりそんな事、出来る勇気もなかった‥。
この人とは似てる様で、全然‥似てないんだ……
ロール「俺はフィレスがイヤって言っても入れさせるからな、」
フィレス「へ?」
ロール「もうこれは決定事項だからな、」
フィレス「………、」
ロール「ししっ!」
フィレス「…、」
なんで‥そんな僕なんかに構うんだろう……。
今言った言葉の中を探しても、その理由らしきモノなんて………似てる、から……?。
本当に、それだけなのかな……。