妖狐の灯
□改訂版
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ロール「おいコラ、おれの船だぞそれ」
船まで戻ると、そこには見知らぬ男たちが数十人。
顔の人相だけ見れば、海賊のように強面の人ばかりだ。
「?、これお前のか?」
「おい何でガキがここに居るんだ?」
偉大なる航路を一人で、それも子どもが渡るなんて。
ただのガキじゃねぇな…?と警戒の意が伝わる。
だがそんな事よりも、ロールは違う事に反応していた。
ロール「おれはガキじゃない!」
?「いやガキだろ、俺より背低いし」
「ちょっラクヨウ隊長?アンタより低い奴らみんなガキかよ」
「そりゃねーっすわ」
ぷはははっ、と笑う男たち。
しかしロールだけは笑っていなく、むしろ顔を膨らませ怒っている。
ロール「………(…いや、こんな事してる場合じゃねーや)」
急ぎの用でもあるのか、ロールは怒りたい気持ちを抑えて自分の船…というより、水上バイクのもとへ向かうがラクヨウと呼ばれた男に腕を捕まれる。
ラクヨウ「待てよ、お前には色々聞きてェ事がある」
ロール「おれは無い」
「おいその人怒らせない方がいいぞー」
「ふざけてるように見えてめちゃんこ強いぜ」
ラクヨウ「どういう意味だコラ?」
ロール「あーもう!」
うるせぇーー!!
ロールがそう叫ぶと共に、覇気と呼ばれる力が放たれた。
それを身に付けられる者は数少なく、それを子どもが放つのは更に異常であった。
その力に耐えられない者は意識が飛ぶ。
この場では何と、ラクヨウ以外の者がみんな倒れた。
ロール「……ふんっ」
ロールは呆気を取られたラクヨウの手から抜け出し、水上バイクのもとに急ぐがまたしても新たな者に手を捕まれる。
ロール「はーなーせー!…って何か増えてるしー!」
サッチ「っまさか覇気放つなんてな…」
ラクヨウ「サッチ、マルコ…」
マルコ「サッチそいつ逃がすなよい、船に連れていく。 ラクヨウは倒れた奴らを頼むよい」
ラクヨウ「へーい」
サッチ「ほーらこっちなこっち」
ロール「いーやーだ〜」
おれ急いでんのにー!
ロールは連行され、彼らが乗船する船へと連れていかれた……。
ーーだが、この出会いが後にロールの運命を少しずつ変えたのだった。