妖狐の煌

□27、解決
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クレイモア海賊団…。

2年前は名乗らずに去っていった海賊団の名前。
この海賊団は2年前のエース処刑の日、ロールが海賊本部に行く為の船がなかった時に、連れて行ってくれた海賊団……らしい。



ロール「そういやそんな事あった気もしないでも無い」


「どっちだよ…!!」


「本当あの後すぐ死んだって時は吃驚しましたよ! よく生きてましたね」


ロール「イエイ!」



ピースして何だか盛り上がってもいる。 もうロールにはシリアス染みた顔つきになる事はなさそうだ。



「…ところで、アンタら何でここにいんだ?」


ロール「…………………………………………………ああそうそう、うっかり忘れてた」


「間が長ェわ!」


「ロールさんしっかりして下さいよ…、」



みんなが呆れている中、一人笑うロールは、少し考えた後何かを思い付いたのか、口を開いた。



ロール「よーし、せっかくお前らと再会出来た事だし」


「忘れてた奴が言う台詞かオイ」


ロール「頼みがある」


「アンタの頼みは嫌な予感しかしねェな…、」



船長が顔をひきつりながらそう言うが、とりあえず聞くだけ聞くロールの頼み…。

また無茶な頼みだ…、とボヤかれるのは後の話。








エース「………」



ロールがいなくなってから、エースは自身を思い詰める事が多かった。

それでも最低限、最悪な事態は考えず…、ただ無事な事だけを心に祈る事も。



しかし、1週間経った今では、考えが変わっていた。




《もういきなり死んだりしねェよ

今度はさ、ちゃんと自分の事考えて行動するようにすっからさ!

約束だ――》





…… もういっぱい後悔した。

いっぱい泣いた…、

無力で終わってしまった自分を、いっぱい…恨んだ……。



――…


けどもう、責める自分は止める。

ロールが簡単に死なないって言ったから、
ちゃんと考えて行動するって言ってくれたから


約束、したから…――




サッチ「エース出掛けるぞ」


マルコ「もたもたしてんなら置いて行くよい、」


エース「っ分かってるよ!」



…ロールがまだ無事だと分かってから、親父に即捜させてくれと土下座した。

すぐには許してもらえなかったけど……、昨夜になってやっと許しを得た。


マルコとサッチと共に、という条件で。

こいつらが指名されたのはきっと、俺と同じように頼み込んだような…そんな気がする。


隊長同士の遠征なんて異例だが、今はそんな事言ってる場合じゃねェ。



必ず、無事な状態で、一緒に帰る。

そう出発時に心に決め、俺はストライカーにエンジンを焚いた――。
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