炎熊の航路
□Y
3ページ/4ページ
――
―
ラウがエースと出会う3カ月前の出来事。
ラウと、ラウの父親…ゼルクはとある無人島で戦いの訓練をしていた。
ゼルクは海賊王の船にいた為か、力は強いというモノではない…ゼルクは覇気の一種である武装色≠フ達人とまで言われていたのだ。
異名はそこから取ったモノ。
ラウはそんな父親の血を受け継ぎ、手解きを受けていた。
ドカーン!!!
ゼルク「ラウ! もう初歩をマスターしたな。流石俺の息子だァ」
ラウ「トトのレベル、もうこした?」
ゼルク「バカやろーお前はまだ30だとしたら俺ァ1000だ!!全然まだだ〜」
ラウ「…このまえトトは、ラウは100だっていった」
ゼルク「………。 さーて、次はあの岩をだな」
ラウ「ごまかしダメなのだ!」
ぶー、と剥れるラウに、ゼルクは笑いっ放し。
ゼルク「用はまだまだって事だ、俺を越すんなら後100年無理だな。 俺の寿命150だから、その時ならまぁ流石に勝てねェだろうよー」
ラウ「そんなにまてないのだ! ラウはいまこえるゾ!!」
ゼルク「はっは〜やって見ろ〜!」
ベー、と逃げる父親を、ラウは倒そうと必死に追いかける。
そんな一風変わった親子に、まさか悲劇が襲い掛かるなど、誰が予想しただろうか…。
ゼルク「!!」ピクッ
ガッ!!ガッ!!
ラウ「!…………、…?、トト…?」
両手拳を父親に向けたが、あっさり止められたラウ。
…だが、いつもならすぐに離してくれる筈なのに、今日は離してくれなかった。
ゼルクは何かを感じていたらしく、いつもより険しい顔で、どこかを向いていた。
ラウがその方向を見るが、ラウにはよく分からなかった…。