炎熊の航路

□X
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ラウ「………」


エース「?、どうしたラウ」



エースはさっそく帰る準備をしていたが、ラウが俯いている。


エースが話しかけると、ラウはゆっくりと口を開けた。




ラウ「ラウは…、その人に会ったら…どうすれば、いいのだ……?」


エース「!」



…確かに、ラウは最初、ある人…白ひげに会ってもどうすればいいか分からないと言っていた。

ただこれから生きる手掛かりが、その手配書だけであっただけで……ラウはその後が、何も考えてない…いや、考えつかないのだ。




エース「…んなの、最後に決めんのはラウだけどよ」


ラウ「………」


エース「でもラウが俺たちと一緒を望むなら…俺も頼んでやるよ」


ラウ「!!…」



差しのべられる手…。

エースを見れば、優しく笑ってくれている。


しかし、それでも、掴んでいいものかをラウは迷っていた。



ラウ「でも……ことわられ、たら…」


エース「おいおい、見くびるなよ?」


ラウ「!」


エース「白ひげ…俺の親父は、そんな器の小せェ男じゃねェ」


ラウ「おや…じ?」


エース「ああ…船長をみんなそう呼ぶ。 血は繋がってねェけど、俺たちはみんな家族だ」


ラウ「か…ぞく………」


エース「おう! ……もし断られたとしてもだ、その時は俺は船下りて、お前の傍にいる!」


ラウ「?!!」


エース「それぐらい、お前を一人にさせない覚悟はある」




まだそれでも、何か不満があるか?


これでもか、これでもか…と、エースはラウを支えようとしてくる。



………

……


それが、心に響いたのか…、もうラウの中には不安はどこにも無く、差しのべられる手を、大きな手を…握りしめた。








(エースと…ずっと、ずっと、いっしょにいたい…――)
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