炎熊の航路
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ラウ「………」
エース「?、どうしたラウ」
エースはさっそく帰る準備をしていたが、ラウが俯いている。
エースが話しかけると、ラウはゆっくりと口を開けた。
ラウ「ラウは…、その人に会ったら…どうすれば、いいのだ……?」
エース「!」
…確かに、ラウは最初、ある人…白ひげに会ってもどうすればいいか分からないと言っていた。
ただこれから生きる手掛かりが、その手配書だけであっただけで……ラウはその後が、何も考えてない…いや、考えつかないのだ。
エース「…んなの、最後に決めんのはラウだけどよ」
ラウ「………」
エース「でもラウが俺たちと一緒を望むなら…俺も頼んでやるよ」
ラウ「!!…」
差しのべられる手…。
エースを見れば、優しく笑ってくれている。
しかし、それでも、掴んでいいものかをラウは迷っていた。
ラウ「でも……ことわられ、たら…」
エース「おいおい、見くびるなよ?」
ラウ「!」
エース「白ひげ…俺の親父は、そんな器の小せェ男じゃねェ」
ラウ「おや…じ?」
エース「ああ…船長をみんなそう呼ぶ。 血は繋がってねェけど、俺たちはみんな家族だ」
ラウ「か…ぞく………」
エース「おう! ……もし断られたとしてもだ、その時は俺は船下りて、お前の傍にいる!」
ラウ「?!!」
エース「それぐらい、お前を一人にさせない覚悟はある」
まだそれでも、何か不満があるか?
これでもか、これでもか…と、エースはラウを支えようとしてくる。
………
……
それが、心に響いたのか…、もうラウの中には不安はどこにも無く、差しのべられる手を、大きな手を…握りしめた。
(エースと…ずっと、ずっと、いっしょにいたい…――)