炎熊の航路

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ラウ「エ…エース、」


エース「あ?」



それから数十分。

抱きついたまま黙りだったラウが、再びエースに話しかけて来た。



ラウ「ラウの…さがしてた人……」


エース「!」



ラウはトートバッグから紙を取りだし、エースに差し出す。


見せてくれるという事は、やっと自分を認めてくれた気がして、何だか頬が緩むエース。



エースはそんな顔をしながら、紙…手配書を見た。








エース「・・・・・・・・」


ラウ「………?」



エースは見た瞬間に固まっていた……。


…何故ならそれは、自分の所属する船長―白ひげ≠フ手配書だったからだ。



エース「ラウ………何で、今まで黙ってた…?」


ラウ「……ラウが、その人さがして時…まちの人たちに聞いたけど、みんな…会うのはやめろって…」


エース「あー…………」


ラウ「で、でも!トトはその人、わるい人じゃないって…言ってた…から……!!」


エース「!」


ラウ「だから…!!」


エース「…………」






ぽんっ、ぽんっ



ラウ「!」


エース「そっか…。 にっ、ありがとな」


ラウ「え…?」



白ひげは世間から見たら、あまり良く思われていない。

それなのに、ラウはそれを否定し、ずっと探して来た。


隠していたのはもう、その人の悪口は聞きたくないから…。

人に聞かないで、ずっと探していたラウに…、エースは自分の事のように喜んで礼を言ったのだった。



エース「んじゃ、行くか!」


ラウ「!……エース…、知ってるのか? この人のいばしょ…」


エース「知ってるも何も、俺が所属してる船長だよ!」


ラウ「!!!!…」




運命のイタズラというモノか…



巡り合いとは……いつでも、不思議なモノであるようだ。
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