炎熊の航路
□W
2ページ/4ページ
エース「ち……っ」
ムシャクシャする…!!
畜生ラウの奴!!
何が食い逃げ悪海賊だよ、勝手な事言いやがって!
エース「あーったくよ!!」
ガンッ!
エースは八つ当たりするかのように壁を殴るが、虚しさと苛立ちだけが残っていた。
「おい聞いたかよ、」
エース「?」
ふと耳を澄ませると、後方の方で人の話し声が聞こえる。
しかし、澄ました所で何だとエースは足を進め、声から遠ざかろうとする。
「この町に本部の中将さんが来てるらしいぜ」
エース「!」ピクッ
「へー、誰か捕まえに来たのか?」
「噂じゃガキが捕まったらしくってよ」
エース「!!……」
「何だよそれ? 噂だろただの、」
「だよなァ、俺も聞いた時は同じ事思ったわ」
エース「………………っ…」
*
*
…場所は変わり、ここは海軍船。
あれからラウは、部屋の一室で手錠を掛けられ、訊問されていたが、ラウは何を聞かれても黙りだった。
モモンガは席を外しており、今訊問は取り止めて、ラウ一人、小さな簡易檻に入っている。
壊そうにも、見張りの目が厳しい。
窓のない部屋で、逃げ出すのはきっと困難であろう…。
ラウ「…………」
このまま自分はどうなってしまうのか…、それを考えると、胸が痛い。
ラウは何か方法が無いかと探すが、子どもの頭では経験不足な為にやっぱり何も浮かばない。
(あいよ、ボウズも大変だなァ 兄貴の面倒だなんて)
(あに…き……?)
ラウ「………っ……エ…ース……………」
――ドカーン!!!!!!