炎熊の航路

□W
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エース「ち……っ」



ムシャクシャする…!!

畜生ラウの奴!!
何が食い逃げ悪海賊だよ、勝手な事言いやがって!



エース「あーったくよ!!」



ガンッ!

エースは八つ当たりするかのように壁を殴るが、虚しさと苛立ちだけが残っていた。



「おい聞いたかよ、」


エース「?」



ふと耳を澄ませると、後方の方で人の話し声が聞こえる。

しかし、澄ました所で何だとエースは足を進め、声から遠ざかろうとする。



「この町に本部の中将さんが来てるらしいぜ」


エース「!」ピクッ


「へー、誰か捕まえに来たのか?」


「噂じゃガキが捕まったらしくってよ」


エース「!!……」


「何だよそれ? 噂だろただの、」


「だよなァ、俺も聞いた時は同じ事思ったわ」






エース「………………っ…」









…場所は変わり、ここは海軍船。

あれからラウは、部屋の一室で手錠を掛けられ、訊問されていたが、ラウは何を聞かれても黙りだった。


モモンガは席を外しており、今訊問は取り止めて、ラウ一人、小さな簡易檻に入っている。

壊そうにも、見張りの目が厳しい。


窓のない部屋で、逃げ出すのはきっと困難であろう…。




ラウ「…………」



このまま自分はどうなってしまうのか…、それを考えると、胸が痛い。


ラウは何か方法が無いかと探すが、子どもの頭では経験不足な為にやっぱり何も浮かばない。




(あいよ、ボウズも大変だなァ 兄貴の面倒だなんて)

(あに…き……?)








ラウ「………っ……エ…ース……………」





――ドカーン!!!!!!
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