妖狐の煌
□7、敵船
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…前の俺なら、フィレスを連れて即座に敵船退治に行くのに………、
それが出来ないっつーのは、こんなにもむず痒いもんなんだな…。
マルコ「ロール! こんな所で何やってんだよいッ!?」
敵船と聞いて、船尾へ行って敵船を確認しようと来たマルコ。
すると船尾にロールがいた事に、すぐに怒鳴り散らした。
フィレス「マルコ隊長…?」
マルコ「………。 早く来い…ロールっ、」
ロール「わーってるよ」
マルコ「フィレスも、エースの所言って来い。 丁度甲板にいて、やる気満々でいるからよい」
フィレス「は、はい…」
マルコはロールを連れて、いち早く船内へと入って行った…。
フィレス「………」
*
*
ロール「………」
白ひげ「…浮かねぇ顔だなロール」
ロール「別にー…、」
あれから、マルコは一番安全である白ひげの部屋にロールを放り込み、自分は甲板へと戻って行った。
ロールは白ひげの隣りに座り込み、活気のない表情をしていた。
白ひげ「戦闘に出られねェのがそんなにツラいか?」
ロール「……。 ツラいっつーか…、何かこう…変な感じがしてよ」
白ひげ「………」
ロール「…何か戦ってねェと、海賊って気がしないんだよな」
ロールはガシガシと頭を掻き、ごろん…っと横たわった。
白ひげ「…ったく、力が無くなっても戦闘バカは無くならねぇな、おめェは」
ロール「戦闘バカって何だよ…、」
白ひげがグラグラ笑う中ロールはムスー、と口を尖らせていた。
白ひげ「…まさかてめェ、また強くなろうと筋トレでもしてんじゃねェだろうな?」
ギクッ!
白ひげの鋭い言葉に、ロールの体が一瞬ビクッと跳ねる。
白ひげ「しょうもねェアホンダラだな…、」
ロール「…止めねーの?」
白ひげ「止めておめェが止まるのか?」
ロール「あー……」
ロールは目を泳がせ、白ひげはその様子を見て軽く息を吐く。