総隊長と家族
□66 ガラス玉
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これは悪い夢だ…。
きっと、眠れば
本当の世界に戻る…戻ってくれる。
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フィンはあの後、部屋には入らず城をうろちょろしていた。
そんな時にクロードに会って、休みたいと言ったようだ。
クロードは部屋にお通しし、フィンは自分からまた一人になった。
そして浅い眠りから目覚めたフィン。
フィン「ん…ぅ、…?」
どこからかサッチ達の声が聞こえる、とフィンがふと見た所に居た。
けどその場所が、
窓の外…。
サッチ達は外に居て、ゼウス達から見送られていたのだ。
フィン「なん、で…?」
何で行っちゃうの
何でサヨナラしてるの
何で置いて行……
フィン「ーー…」
ヘタ…、
フィンは地に足をついた。
同じ、
今までと同じ…、
そうだ、
何も変わってない。
おれはまた、新しい居場所に移されただけ。
ただ…、
それだけ……
なのに…っ……
フィン「っ……」
フィンは地面に寝そべり、体を震わせ泣いた。
声が聞こえないように
泣き声を聞かれたらいけない。
…そう自分に言い聞かせて……
フィンはゆっくりと意識を無くしていった。