総隊長と家族

□64 実力差
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エース「ハァ…ハァ…」


「もう終わりか火拳?」



クスクスと笑う男の前にはボロボロになったエース。

能力を封じられ、力が思うように入らない。
その上相手は飛び道具な為、接近戦しか残っていないエースには不利な状況だった。



エース「(何とかこいつさえ外せれば…)」


「終わりだ」


エース「!!!」


ファイ「おい!そこの卑怯者!!」


「ああ?誰が卑怯者だコラ!! 戦いに卑怯もくそもあるか」


エース「!」



ガンッ!!



男がファイの方を向いた一瞬の隙をついて、エースは力いっぱい蹴り飛ばした。



エース「助かったー、ありがとよファイ」


ファイ「ああ!」


エース「しっかしこれどうすっかな…」


クロード「…エースさん、ちょっと手を伸ばしてて下さい」


エース「あ? こうか?」



エースは横に手を伸ばした。

すると、クロードはここに来る途中で手に入れた自分の剣を構えていた。


察しがついたエースは冷や汗出しまくりだった。



エース「ちょっと待てそんなんでやったら!!」



スパッ!!



目を思わず瞑ったエース…ふと目を開けると、何と腕は無事なのに海楼石だけが切られていた。



エース「す、すご…」


ファイ「言っただろ、クロードは騎士団長だって」



剣を持たせればその腕はピカイチなんだ、とファイは続けて言った。



エース「いや…、ここまでとは思わなかった……」



エースはどっと疲れたかのように地に足をつけていた。



メァリ「パパ…、ママどこぉ…」


ゼウス「メァリ…」


メァリ「ママ…、ママぁ…」



ぐすんと泣くメァリに、ゼウスは抱きながらあやし続けていた。



クロード「っ、早くセァラ様を探しましょう」


エース「ああ!」



エース達はまだ助けていない人たちを探す為、城内を走り回った。
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