妖狐の灯

□14、隊長
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ー甲板ー


ロール「………、」




ロールはポケーッと甲板を眺めていた。
その先には‥、




「サッチ隊長ー!」


「いい加減、書類の期限ぐらい守って下さいよ〜」


「何でとばっちり受けるの俺ら何ですか〜?」


サッチ「口より手動かせよ終わんねェだろ、」


『いや あんたの所為だろ』




ただ今、4番隊の人たち全員で船全体の掃除を行っている‥。

何故なら隊長であるサッチが書類を出す期限を守らなかったから。
今度という今度は無いモノで罰として船全体の掃除をさせられている‥。

1人じゃ大変で無理だと反論した結果、4番隊全員でやる事になったというものすごく迷惑な話。

連帯責任って嫌だね、と改めて感じた4番隊隊員たちでした。




「これだったら隊長を変えたいわー」


「あ、俺ァビスタ隊長の5番隊がいい」


「俺は3番隊のジョズ隊長だなァ」


「俺2番隊のレイス隊長がいいー、」


サッチ「お前らなァ‥、」


いやいや、自業自得ですぜ旦那‥。




ロール「……(‥あれ?レイスって隊長だったのか?)」



ロールが知らない新事実。
いや多分、そんな情報は読者も知らなかっただろう‥。

レイスは船医兼2番隊隊長なのである。

サッチみたいなコック兼4番隊隊長みたいなモノだ。




レイス「ん?ロール、何してんだ?」


ロール「あ、レイス。レイスって2番隊隊長だったんだなーって」


レイス「今頃 気づいたのか、」


ロール「いやだって、レイスの事 隊長って呼んでる人、見たことねェし」


レイス「ああ…まァそりゃそうだろうな、」


ロール「へ?」


レイス「俺は別に堅っ苦しいのが嫌なだけだ、」


ロール「ああ‥何か分かる、」


レイス「だから隊員の奴らにも呼び捨てで呼んでもらってんだ、」


ロール「へー。……なぁなぁ!どうやったら隊長になれんだ?」


レイス「ん、隊長に‥?」


ロール「おう!」


レイス「‥そうだな、まァある程度は強くなきゃいけないし、責任も威厳も大事だな……、」


ロール「ムゥ‥、」


レイス「だがまァ‥そのうち……、」


ロール「?」


レイス「……いや‥何でもない、忘れてくれ」


ロール「?、?」




難しい顔をしているレイスに対し、無邪気な顔をするロールでした。
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