妖狐の煌

□7、敵船
1ページ/3ページ




ロール「んっ…、…っ!!」



ここは船の船尾。
一通りの少ない船尾にロールは強くなろうと筋トレの為一人、壁に倒立をし腕立てをしようとするが、当然の如く上手くいかない。

子どもの頃からやっていた筋トレも、今じゃツラいメニューばかりである


それでもロールは強くなる為に、何回も続けていた。



フィレス「?」



一方、何か聞こえるなと船尾へとやって来たフィレス。



フィレス「!、副船長…」


ロール「っん? あぁ…フィレスか」



ロールは倒立を止め、縁に寄りかかり、胡座を掻く。
息が荒くなっているのでロールはゆっくりと息を整える。



フィレス「………」


ロール「?、どうした」


フィレス「え? あ、いえ…」



…そうか、と言いロールは目線を空に向ける。


今日は快晴で、心地よい風も流れている。
カモメ達が何羽かに群がって気持ち良さそうに大空を羽ばたいていた。



ロール「……?」


フィレス「どうしました?」


ロール「いや…、何か朝から誰かの視線みたいなの感じんだよな……」


フィレス「え?」



…力は無くなった割にはそういうもんはやっぱ人間って分かるんだな……

でも、一体誰に見られてんだ俺…?




ロール「んまぁ、気のせいだといいけどよ」



ロールは床に置いてあった帽子・ペンダント・タオルを自分の方に引き寄せ、タオルで汗を拭く

フィレスがその様子を見るが、ふと海に目線が行く。



フィレス「あれ…?」


ロール「ん…?」


フィレス「あれって…敵船じゃないですか?」


ロール「あ?」



フィレスが向く方向を見ると、そこにポツリと船が見える。

旗は髑髏が描かれているので、海賊船である事は間違いないだろう。


…すると、マストに上っていた船員がその船に気づいたのか、敵船だと声を張り上げていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ