妖狐の煌

□5、新調
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ロール「はぁー…あ」


サッチ「どうしたよ、んな溜め息ついて?」


ロール「だってマルコがよー…」



食堂でぐったりするロール。
サッチは厨房でやる事を終えた後、ロールの目の前に腰を下ろす。


今食堂には2人だけ。
何故なら今船は島に上陸していて、船員たちは殆ど出払っているからだ。



ロール「なのに俺は外出禁止って…」


サッチ「ああ…、まぁあいつは心配性だしな。
今は特に……、」


ロール「そりゃ分かってるけどよー…、俺もしかしてずっと船に閉じこもり?」


サッチ「………ヘタしたらな」



サッチの言葉にシクシク泣いて、足をばたつかせるロール。

駄々をこねる子どものような姿は、今も昔も変わっていなくて…そんな姿にサッチはどこか微笑んでいた。




マルコ「…何やってんだよいお前、」


「「!」」



すると、マルコが食堂に入って来てロールは鼻を啜ってマルコの方を向く。



サッチ「どうした、メシの時間にしちゃ早いぞ」


マルコ「違ェよい…、
…サッチ、今暇かよい?」


サッチ「あ? ああ、まぁ今の所はねェが…え、何仕事?」


マルコ「あながち間違っちゃねェよい」


サッチ「どういう意味?」


マルコ「ロール、」


ロール「んぁ?」



マルコは手に持っていた小さな袋をテーブルに置く。



マルコ「…親父から外出許可が出たよい、条件としちゃ俺とサッチを連れての行動だよい」


「「!!」」



ロールはその瞬間歓喜を上げながら飛び上がる。



サッチ「よく許したなマルコも」


マルコ「親父が言い出したんだよい…、」



(白ひげ:マルコ、これでロールを島に行かせてやれ、どうせあの野郎いじけてるだろうからな)

(マルコ:なッ、何言ってんだよい親父! あいつを外に出したら!!)

(白ひげ:グラララ、マルコ、心配性なのはいいがそう堅くなるな。 お前が見張りについて行きゃいい事だろう)

(マルコ:…俺は今日は船番だよい、)

(白ひげ:だが、船番はおめェだけじゃねェだろ?一人いなくなった程度で誰も何も言わねェよ

いいから行って来い!)





サッチ「親父らしいな、」


マルコ「笑い事じゃねェよい…、おいロール!ちゃんと変装していけ」


ロール「了解〜!!」


マルコ「ったく…、」



サッチ「(あいつもあいつで嬉しそうだな…、)」



準備するか、と
各々食堂を出て準備の出来た者は甲板に集合する事になった。
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