妖狐の煌
□4、体傷
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それから夜になり、ロールは部屋のベッドで横たわっていた。
ロール「………」
…やっぱ…、
いくら親父たちが守るっつっても…俺にはそんなの性に合わねェよな……
鍛える方法もあるが、
ほぼ20年分のブランク…
ロール「んー…、せめて自分の身ぐらいは守れる力は欲しい……」
元通りの力を手にする事は出来なくとも、せめて自分の身を守れるようにとロールは起き上がり、筋トレでもするかと立ち上がった時…
サッチ「ロール〜」
ロール「ん?」
サッチが部屋に入って来た。 そして何やらズカズカと入り込み、ロールの腕をガシッと掴む。
ロール「え?な、何だ?」
サッチ「じゃあ行こーな」
ロール「どこにっ?!」
サッチ「ふーろ!」
ロール「・・・・・あ、今親父が呼んでる声が「聞こえてないから大丈夫だ」ちょっ嫌だぁぁぁ…!!!」
サッチはクローゼットからロールの服を漁った後、風呂を拒否まくるロールをズリズリと風呂場に強制連行した…。
*
*
サッチ「いつまでも嫌な顔してねェで、とっとと脱げよ。 次の隊の時間帯になっちまうだろ」
ロール「俺4番隊じゃねェし…」
結局脱衣場に連れ込まれてしまったロール。
大きな船には勿論入浴時間があり、今は4〜7番隊の時間であった。
ロールはしぶしぶと服を脱ぎ、全裸へとなる。
サッチ「!!!……」
サッチは目を疑った。
ロールの上半身はほぼ傷跡だらけとなっていたからだ。
そこには勿論、
本来自分の背中の傷であったであろうモノも、ロールの背中にある白ひげのマークへとバッサリ傷跡が残っていた。
ロール「……何か親父みてェだな!」
サッチ「・・・・・」
申し訳ないという気持ちが溢れそうだったが、ロールの一言により呆気なくその想いは引っ込んでしまっていた……。