めいん

□俺のだ!
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カシャッ



「あ」


「・・・なぁなぁマルコー、」


「ちょっとエース、今撮ったでしょ?」


「は?誰もお前なんか撮んねェよ、自意識過剰か」


「嘘つけえ!絶対撮ったでしょ今!カシャっていってから携帯数秒コッチ向いてたよ!?」


「ッチ、うるせーなァ・・・撮ったよ、撮りましたよ!!!」


「開き直りやがった!」


「いいだろ別に、減るもんじゃねェし。」


「言ってくれればピースだろうがなんだろうがポーズとってあげたのに。まったく、エースは私のこと大好きなんだから」


「はあ!?・・・な、違ェよバカ!・・・んなわ、わけねェだろうが!!!」


「え、何その意外な反応」


「うっせェ!俺は帰る!!・・・じゃーな!」


「え、うん、じゃーね!」




怒ってんのかよくわかんなかったけどエースはちゃんと手を振って帰って行った。

かわいいとこあるんじゃねーかよ(笑)







たく、***のやつ。



「・・・・・・っ」



かわいいんだよアイツはよぉ!!!

どうしても一枚写真が欲しくて欲しくて遂に今日決行したら、***に気づかれた。

勘鋭すぎんだろアイツ!


***の写真をGETできた喜びでスキップしてしまいそうな衝動を押さえ、家への道のりを歩く。





「ただいまー。」


ダダダダダダダダッ


「エースおかえりー!」


「おぅ、ルフィ」


「エース携帯貸してくれ!」


「携帯?」


「充電切れちゃってさー、じぃちゃんに買ってきて欲しいモンがあるんだ!」


「へー、ほらよ」


「おう!ありがと!!」


「あ、ルフィ ついでに俺も・・・」



部屋にいつも置いてあるカラムーチョが切れているのを思いだした。

ついでに頼もうと思ってルフィのほうを振り向くと、目を見開いて携帯の画面をみているルフィ。




「・・・ルフィ?」


「・・・・・・」



呼び掛けても微動だにしないルフィ。



・・・嫌な予感。***の写真のままにしてたっけ。



「・・・ぅ・・・エース・・・」


「ん!?どうしたルフィ?」


「コイツ・・・誰だ?」



と、見せられた携帯画面にはやっぱり可愛らしい笑顔の***。



「いや、違ェよ!そいつはただのクラスメートで!!けっ、決して隠し撮りっつーわけじゃ・・・」


「・・・かわいい。」


「いや、だから違っ・・・は?」


「俺、こいつに惚れた!!こいつと結婚するよ!」


「はぁ!?ダメに決まってんだろ、***は俺のだ!!」


「嘘つけ!さっきただのクラスメートで好きでもなんでもない、写真とってたらカメラに入ってきた迷惑な女だって言ってだじゃねェか!」


「言ってねェよ!!何そういうことにしようとしてんの!?」


「俺はコイツが必要なんだ!」


「何ちょっと写真見ただけで運命感じちゃってんだよ!!お前には恋愛なんてまだ早い!しかも相手が***だなんて俺が認めるか!」


「とりあえず、コイツは俺がもらう!」


「とりあえずってなんだよ!ダメに決まってんだろ!!***は俺んだ!お前にはクラスの女子がいんだろうが!」


「クラスの女子はみんな仲間なんだ!恋愛対象なんかぢゃねェし、俺は***に惚れたんだから仕方ないだろ!運命なんだから仕方ないだろ!」


「コノヤロー・・・言っとくけどなルフィ、***は俺にベタ惚れで、俺は***にベタ惚れなんだ。お前の入る隙間はねェよ?」


「・・・っいやだ!俺は***と結婚する!」


「頑固なやつだなぁ・・・さっさと諦めて次の恋みつけるんだな」


「うっせェ!覚えてろよ!」



最後に昔の悪党が言いそうなセリフを吐いて俺の前から走り去っていったルフィ。危ない危ない、恋のライバルがルフィなんて勘弁してくれ。

ルフィだろうと、こいつだけは譲るわけにはいかねェんだよ。



・・・明日からは俺もちょっと素直になってみるか。













翌日からルフィがエースのクラスに毎休み時間押し掛けたのは、言うまでもないです。



(あ、***!)
(え・・・誰?)
(あ!てめルフィ、なに来てんだよ!)
(***!お前エースにベタ惚れなのか?)
(はぁ!?)
(ちょっと待て!変なこと言うなルフィ!!)
(・・・***、顔あけェぞ?)




2011.5.1
 

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