めいん
□歯みがき
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「ぎゃあぁぁぁあ!!」
びくッ!
甲板で昼寝してたら洗面所から***の叫び声。
アイツいっつも叫んでねェかってくらいよく叫ぶ***。それでも女か。
そのたび毎回ビクッとなる自分。
そのたび毎回誰にも見られてねェかと焦る自分。
ッチ、 どこに怒りをぶつけていいのやら。
「あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
静かになったと思ったら今度はルフィの笑い声。あいつら、また何騒いでんだよ。
「おいゾロ!聞いてくれよー、あっはっはっは!!」
俺を見つけるなり飛んできたルフィと、追いかけるように甲板に出てきた***。
「うるっせーな、なんだよ」
「***のやつ歯みがき粉と間違えて洗顔クリームで歯みがいたんだぜ!あっはっは!!」
「ちょっとルフィ!何言いふらしてんのよ!!」
「あっひゃっひゃっひゃっひゃ!」
「フンッ、自業自得だな」
「なんで!?え、私なんかしたっけ!?」
「毎日毎日、無駄に叫んでるからだよ」
「無駄!?無駄って何!・・・ゾロさ〜そんな口聞いていいわけ〜?」
イラッ……
なんだコイツ。腕を組んで見下してくる***。
「私知ってるよー?そのたびゾロがビクッてなってるの」
「・・・・・・」
見られてたぁぁあ!!
なんだこいつ、いつ見やがった。
とにかく他のやつにばれるのだけは避けたい。どうせ弱味にされりに違いない。
ルフィはまだ横で笑い転げてる。
死んでもナミやあのクソコックだけには・・・バレるわけにはいかねェ、
「お前それ絶対誰にも言うなよ」
「え〜?きーこーえーn」
チャキッ
「言うなよ?」
「わかりました」
★
「・・・はぁ・・・・はぁ」
皆が寝静まったあとはいつも通りトレーニング。今日はこの辺にして寝るとするか。
あ、歯磨いてねェや。
今日は月がキレイだな、なんて柄にもないことを思いながら洗面所への道を歩く。
ジャー
カチャカチャ
にゅっ…
緑色の歯ブラシを、水に濡らし歯みがき粉をつける。
シャコシャコシャコシャコ…
「・・・・・・」
ブ ―――――――ッ!!!!!
「・・・・・・」
(間違えた!)
*
ゾロがビクってなるわけ・・・ないですよね。
2011.4.27