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□魂喰☆夢詞 番外編
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魂喰☆夢詞 番外編




とある彼女溺愛者の日常








チュンチュンチュン…――




朝、俺は鳥と同じ時間に目を醒まし愛する人を起こしに行くのが最近の日課だ。




リズやパティを起こした後、身だしなみを整え、寝坊が趣味の愛する女性の部屋へと向かう。





……あぁ。ここで最初に言っておくが、俺の彼女は寝起きが最低に悪い。だが可愛い。



そして暴れ出すのは日常茶飯事だ。だが可愛い。




…まぁ、それだけだ。





彼女の部屋に着くと、合い鍵で部屋へ侵入……いや部屋にお邪魔をしてまずは寝顔を堪能する。






『………ーっ…ぐぅ……』



「…………」





……あぁ、今日も愛らしい。


なんて可愛いんだ。



だが、言わん。いや、よく言うが殴られるんだ。何故だ。




俺の彼女は意外に照れ屋であり、とりあえず妄想癖が酷い。まぁ、簡単に一言で言うと変人だ。だが可愛い。




しかし俺は死神として、普段は平然を保って理性を出さないように抑えている。


…つもりだが、全く抑えられていないと周囲からは注意をよく受けるものだ。



何故だ。


まぁ、仕方あるまい。


シンメトリーのように美しく、洗練された愛らしさを持つ彼女の前で愛情表現を自重しろと言う方が困難というものだ。







……さて、そろそろ起こすとするか。




そうと決めると、俺は立ち上がって戦闘態勢に入る。



え?なぜかって?



そんなもの…決まっているだろう。たわけが。






「ミカ!起きろ!学校だ、さあ一緒に行…――」


『ぐぅ…んーっ!!!』


「おっと…。……い、今のはなかなかのパンチだったな…。危なかった」




………彼女を起こすことは、毎回戦争に近いことになるからである。



ちなみに、今は彼女の耳元で声を大にして叫んだ俺に反応して反射的に彼女が右ストレートを繰り出してきたのだ。



彼女自身は反射的にやっているため、悪気が無ければ記憶もない。



…全く厄介な寝相だ。




だが、可愛いから許す。




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