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□その距離0p
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前略、天国にいるであろうと思われるお父さんお母さん。
「花音ー大好きでーす」
「うぎゃああああ痛ああああああああ!!」
何がどうしてこうなったか分からないけれど、私は所謂悪魔とやらに懐かれてしまいました。
…ことの起こりは1週間前。だがしかし話すと長くなるので省略しますすみません!つまり、だ。悪魔くんに懐かれて1週間が経過しましたよー、と言いたいわけです私は!
でもこの悪魔(ちなみにアマイモンという名らしい)、私にいちいち飛びかかって首筋を噛んでくる。これがまた痛いのなんのって。この前なんか、うっかり背骨を折られかけた。適当に受け流せば悪魔くんも飽きてくれるだろうと思ったが、その前に私が死にそうだ。
「花音、浮かない顔してどうしたんデスカ?」
「(浮かない顔してるって気付く位の脳ミソはあるのか…)いや、色々と近いんですけど」
「何がです?」
「悪魔くんがです」
「悪魔くんじゃありません。アマイモンです。名前で呼んでください」
「…アマイモンくん」
「ワーイ」
「近いです」
「何がです?」
「私と!あなたの!距離がに決まってるでしょおお!」
びたっ、と私にくっつくアマイモンくん。悪魔とはいえ見た目は立派な青年だ(中身はただの子供であるが)。そんな立派な男の人にくっつかれれば、私だって1人の女として照れてしまうというものだ。