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□いつかひとりで丸ごとケーキ
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「『サンタさんへ。今年のクリスマスプレゼントは肉まん100個欲しいです』……神楽ちゃん、プレゼントは肉まんがいいの?」
「1個じゃ駄目ヨ?」
「あ、100個だっけ?…おかしいな、肉まんてコンビニでお手軽に買える商品だったような…」

花音は痛む頭を押さえつつ、神楽に手紙を返した。
神楽にクリスマスプレゼントを買おうと思ったが、さすがに肉まん100個は無理である。
どうしたものか…。
花音は溜め息をつき、取り敢えず恋人である銀時に相談してみることにした。



「どうしよう、銀時。神楽ちゃんに何をプレゼントしたらいいのかな」
「食い物ならなんでもいいんじゃねぇか?イチゴのホールケーキとかよー」
「それ、銀時が欲しいものでしょ」


ジト目で銀時を見るが、イチゴのホールケーキは確かにいい案かもしれない。神楽ならばホールケーキくらいその場ですぐ食べてしまうだろうが…
花音の中で、神楽へのプレゼントが決まりつつあった。


「俺も…ケーキ欲しい」
「え?銀時はいっつも自分でケーキ作るじゃん。それも超豪華な感じの」
「そ?じゃあクリスマスに銀さん頑張って作っちゃおうかなー」


とん、と花音の肩を押し、銀時はニヤリと笑った。
とすりとソファーに沈む花音の体。イチゴのように赤い花音の唇に舌を這わせ、銀時は低く呟いた。


「花音がスポンジの特製花音ケーキ」
「な、っ!?」


瞬間、赤くなる頬に、カプリと噛み付く銀時。噛んだ後にペロリと舐めれば、花音の頬はさらに赤くなった。


「銀時の変態っ!」
「男はみーんな変態ですから」





いつかひとりで丸ごとケーキ







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