17号夢短編

□drop collar
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カランカランと缶の中で何かが回ってる音がした。


「名無しさん、何してる?」


ソファーに座り、両手で何かを持っていた名無しさん。


「あっ、17号!17号も食べたい?」




「何だソレ」
「これはドロップだよ」

「ドロップ…飴か」



缶から出るソレは何の味が出るか分からない、色々とりどりのドロップ。

お前はそんなドロップを俺みたいだと言う。



「色々な味…17号に例えると、
17号の表情
17号の感情
17号の……心みたいな気がするの」


「俺はドロップみたいに甘くないぞ?」

「ふふ、甘い時もあるよ!17号が私に、たまに甘えてくる時とかね!!」

「……俺を怒らせたいのか?」

「ふふふっ、でも味は甘いけれど、色を心に例えると、私の知らない17号は…白かな?


「白?」

「何もない、空疎な瞳…真っ白い心には何の色もなくて、たまに17号そんな顔してるよ?
心が空っぽそうな感がした…」



そう言ったお前は少し寂しそうでとても不安な顔をしていた。



そんな空疎な俺に色々な色の感情をくれたのは名無しさんだというのに。



「バーカ!不安そうな顔をするな。俺には名無しさんしか居ない」






そういった俺にお前は何も言わずにニコっと笑った。
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