17号夢短編
□アコガレ
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「ほら、特にこの衣装なんてすごく可愛いよ!一度でいいから着てみたいな〜」
それはとても短いスカートでノースリーブにはヒラヒラが付いてる衣装だった。
「やめとけ」
‘焼いてる’と思われたくない俺は簡潔すぎる言葉で、お前を否定する言葉を言ってしまった。
「…さっきから17号ひどいよ、私だって憧れってものがあるんだから!!!自分がなれないの位知ってるよ!でも言ってみるだけだっていいじゃん!!」
俺の言い方が悪いのは知っている。
でも俺も素直になれない所があるから、キツイ言い方をしてしまう。
お前を悲しませるつもりじゃなかったのに。
「名無しさん…」
「もういいよ17号…私もう寝るね!おやすみ」
名無しさんの悲しい顔と怒ってしまった事に俺は
ズキッ
と心が痛んだ。
その途端、テレビのチャンネルを切って部屋を出ようとした名無しさんの腕を掴んでいた。
「何?17号・・・離してよ」
「悪い…」
「何が?」
こいつは俺の言葉に怒ってるんじゃない。
俺の気持ちが素直じゃないのを怒ってるんだと思った。
名無しさんは俺の気持ちに気付いている・・
素直にならなければ、伝わらない。
「名無しさんがもしアイドルになったら、他の男に見られる事が一番嫌だ」
そう言ったお前は身体を俺の方に向けた。
その途端ぷぷぷと笑いだした。
「え、17号やっぱり焼いてたの?」
目を合わせた瞬間(やっぱり焼いてたの?)の一言で俺の心が全部が見えてしまった気がして、俺は視線を名無しさんから逸らした。
「馬鹿…もしも万が一私がそうなったとしても、私は17号だけだよ」