17号夢短編
□アコガレ
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「ねぇねぇ!!17号見て見て可愛いよね〜」
名無しさんはさっきから夢中でテレビを見ていた。
突然ヘッドフォンで音楽を聞いてた俺の腕を掴みテレビの前に座らせられた。
「なんだよ、こんなの夢中で見てたのか?」
それは歌って踊ってる女のアイドルってやつだ。
「すごい可愛くない!?私もこんな風なれたらいいな〜!!」
「…ダメダメ、お前は」
「……ひ、ひどい・・私だって頑張れば・・」
名無しさんを否定する訳じゃないのに、
今のは「お前がアイドル何かになれる訳ないだろう!」
とお前は捉えたんだろう。無理もない。
さっきまで元気だった瞳が悲しく目を細めてしまった。
悲しませるつもりなんてないし、
お前がアイドルになれないなんて言っていない。
でも俺の言い方が悪かったようだ。
それは自分でも承知だ。
でも…
「アイドルなんてのになったら大変だぞ」
「大変でもいいよ!もしそうなったら頑張ってやってみたいし、こういう可愛い衣装とか着るのは女の子の憧れなんだから!!」
・・・・
名無しさんはちっとも分かってない。
お前はどんな事でも努力する奴だ。
俺が選んだ女だし、顔だって誰よりも可愛い、
名無しさんが言ってた、アイドルにだって慣れるだろう。
ただ俺はお前がもしアイドルになったら。色々な男の目に触れる・・・
それが嫌だなんて、
俺の口から言えないだろ。