17号夢短編

□家庭教師〜後編〜
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「……もしかしてコレ……か?」

と先生はポケットからチョコを取り出した。



「あっ…………あの、すみません………………そ、……それ返して貰えますか?」


恥ずかしくてうつむきながら自分でも今の言葉は素直じゃない、可愛くないと思った。
どうしてこう言う言い方しか出来ないんだろう・・・・・・


だって本当は大好きな先生に食べて貰いたかったにのに………
「貰って下さいっ」て素直に言えたら先生だって貰ってくれたかもしれないのに………




「……俺にくれるハズだったんだろ?」

「………はい……そうだったんですけど……でも……」

先ほど先生の荷物に入っていた他の子からのプレゼントが頭によぎった。自分もきっとその一つに違いない。
チョコも生徒って立場も。






「……欲しい……名無しさんからのチョコ」


「……え?」


「実は今日で家庭教師のバイトは辞めるんだ……だから名無しさんに教えられるのも今日で最後なんだ………」


「先生辞めちゃうんですかっ!!?だってまだ……」


だってまだ一緒に居たいのに………私は先生に、先生だから教えてもらって苦しい勉強も頑張って来れたのに……先生が居たから………


「苦しいんだ、名無しさんと生徒と先生っていう立場が……お前か好きだから」


涙が溢れた。
先生の言葉が信じられなくて先生の言葉にただ、身体が熱くなっていく。


「・・・・・・・・私も……ずっと先生が好きです!!大好きです……」

言葉が震える。初めて言葉に出した先生への気持ち。


そして先生は涙ぐむ私をきつく抱き締めてくれた。
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