頂きもの

□地味で真面目な
1ページ/4ページ

今日も、いるのかな?



あたしは期待を胸に、屋上へと続く階段を駆け上がる。




そして階段を上り終え、扉の前で一旦、胸元のポケットに入れていたコンパクトミラーで顔や髪型を確認し、勢いよく扉を開いた。






「…またお前か。」


「ま、またとは何よ。」





いた!





あたしの好きな人、同じクラスの17号。



制服をだらしなく着こなし、耳元の金色のピアスが光に反射して、光っている。



17号は所謂¨不良¨ってヤツで。


いつもこうして授業をサボって屋上で昼寝したりしている。



あたしは普段は真面目な方。


化粧もしていないし、アクセサリーもしていない。

制服も校則通り。



こんな地味で真面目なあたしが、不良の17号を好きになるなんて、思ってもみなかった。


まぁ…叶うことはないんだろうけど、ね。




「毎日毎日…真面目なHARUサンが、こんな所で俺とサボってていいのかよ。」


「い…いいの!ちゃんと考えてるから。」


「へぇ。」



うぅ…相変わらず素っ気ないなぁ…。




あたしは17号に近付いて、隣に座った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ