novel
□その瞳で
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「ん…?」
佐藤が目を覚ますとベッドの上で、高木も横で寝ていた。
「やだ、寝ちゃったんだ…」
疲れてるのに悪いことをしてしまったな、と由美のことを言っていられない自分に気付いた。
「ふわぁー…」
「起きたのね」
高木が目を覚ますと、佐藤はキッチンから戻るところだった。
「いい匂いっすね。カレーですか?」
「ええ、お腹が空いてたらでいいわよ」
「絶対食べます」
そう?と笑いながら佐藤は彼の後ろに座った。
「肩揉んであげよっか?」
「いや、僕の方こそやりますよ」
「いいからいいから」
「気持ち良いです」
「ん、良かった」
「また握ってくれました、シャツ」
「…わざとよ」
「あれ、じゃあこれからは僕が着替えさせてもいいんですね?」
「えっ?」
すかさず佐藤は自分を見ると、高木は笑っていた。
「もう‥」
高木は佐藤の両手を掴み自分の前に持ってこさせ、前屈みになり彼女をおぶった。
「きゃっ…ちょっと!」
「おんぶも佐藤さんが一番最初だって、今度は確認出来ました?」
「…バカ…優し過ぎ…」
「すいません」