03/20の日記

16:32
小嶋陽菜(3)
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「やっべ!遅刻じゃんか!」
現在朝の9時。とっくに授業は始まっている。
学校へ急ぎながら、携帯を開く。

新着メール1件 8:42 裕也、今日こないの?

陽菜からだった。
しかし返事をしている暇などなくやっとのことで
学校につく。
そろそろと後ろのドアから教室に入り
自分の席に着く。
ざわざわしている教室を見渡していると
ふと、陽菜と目が合う。
心臓の鼓動が早くなり昨日のことを思い出す。
(あれは・・・夢だよな?うん。)

気になってならなかったので
一応聞いてみる。

「なぁ。陽菜」

「な、なによ?」

動揺する陽菜を見てもしやとは思ったが
まだ話を続ける。
前の席にはヒロ、大島優子がいるが、
今はそんな事どうでもいい。

「昨日さ、・・・俺ん家でさ・・・」

「うん。」

「・・・あ、あそんだよな?」

「・・・・・・・・・うん」

言えなかった。
キスしたなんて。
俺と陽菜は恋愛をするには向いてないのだ。
どちらかというと大島優子とのほうが
付き合ってしっくりくるが、
陽菜とは幼馴染だからそう感じないのだろうか。
だとしたら、・・・なんて悲しい現実。
友達以上にはどうしても見れないのだ。

「ねぇ!またぼっとしてないでさ!
 今日は優子とヒロ君と4人で帰るよ!
 わかった?・・・裕也」

俺の名前ぐらいはっきりと言ってくれ。
そんなに陽菜は自分に自信がないのか。
そういえば、中1の時陽菜には中3の彼氏がいた。
その彼氏にレイプされたりとひどい扱いを受けたらしい。

「あぁ。いいよ。」

少し間を開けて答える。

―――――放課後―――――

いつものように、のんびり
2人で楽しそうに話している大島とヒロ。
俺はそれを見ながら陽菜の顔を浮かべた。
ぼっと窓の外の夕焼け空を見ていると
誰かに肩をトントンとたたかれた。
あわてて振り向くと、そこには陽菜がいた。
陽菜は何も言わず俺の隣に座る。
そして俺の手の上に手を重ねる。
何も言えない俺。なさけない・・・。
思いついたことでも話してみるか。
大島とヒロは2人の世界に入ってしまって
俺らのことなどみていないのだから。

「昨日さ・・・」

陽菜の手が俺の手を上から握りしめる。

「俺ら、キス・・・したよな」

握る力を強め、唾をごくりと飲み
どこか一点を見つめている陽菜。
俺はその陽菜をじっと見ながら話した。

「俺、お前が好きだ」

「それ、昨日も聞いたよ」

少し照れながら言う陽菜を見て
素直に可愛いと思った。
だが、いまだに自分の考えていることがわからない。

俺はなにをしたいのだ。

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12:53
小嶋陽菜(2)
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俺はすぐに着替えて
家の外に出た。
もう春だが、まだ少し肌寒い。
家の前の道路に顔を出すと
陽菜が立っていた。

「・・・裕也。今日はごめん・・・」

花粉症なのか、泣きそうなのか
声が震えているように聞こえる。

「別に怒ってないから。
 てか肌寒いから入れよ。家。」

そう俺がいうと陽菜は小さくうなずき
泣いてしまった。
いまだに何かわからない俺は
陽菜を家に上げ、何も話さずに
陽菜の様子をうかがっていた。

「・・・ねぇ裕也?
 裕也ってさ・・・麻里子が好きなの?」

麻里子とは同じクラスのモテモテ女子。
俺はそんなに好きじゃない。

「好きじゃないけど。なんで?」

「特に理由はないけど・・・よかった。」

良かったの意味があまりわからないが
軽く流しておいた。

「もう泣き止んだし、用事も済だし
 夜おそいから家帰れよ。」
と俺がいうと陽菜は「うん」とだけ答える
「じゃあ行こう。おくるから。」
すこし気まずいが、これくらいはしてやらないと
可哀想だ。。
玄関まで行くと陽菜が突然立ち止まる。

「お、おい。とまるなよ」

すると陽菜が振り返り俺の目をじっと見つめる。
どうすればいいかわからない俺はあわてて目をそらす。

「・・・私のことどう思う?」

「好きだ」

不意に俺の口から出た意外な言葉。
自分でもびっくりだ。
陽菜とは幼馴染で恋愛感情など
持っていないはずだった。
・・・俺は陽菜が好きなのか・・・?
いきなりの告白に陽菜も驚いたのか
頬を赤らめている。

「いや・・・その・・・今のは、まち」

俺が言い終わる前に陽菜にさえぎられる

「私も、裕也が好き」

2人の間に沈黙が訪れる。
こうなってしまったからには仕方ない。
今更間違えたなど言えるわけがない。

気付くと暖かいものが俺の唇にあたる。
目を開くと陽菜が頬を赤らめ俺をみつめている。
陽菜が俺にキスをしたのだ。
こうゆうのは初めてで緊張するが
今は陽菜がとても可愛くいとおしく見える。
俺は陽菜に濃厚なキスをしながら
陽菜のミニスカートの下からパンツの中に手を入れる。
陽菜の下半身が過敏に反応する。
陽菜のそれがだんだん濡れてくるのが
この指でわかる。

「ちょ、ちょっとまって・・・
 はずかしいよ。こうゆうの」

「お、おれもやりすぎたわ・・・ごめんな。
 今日は帰れよ。もう1時だ。明日も学校だろ」

「うん。・・・じゃあね。裕也・・・。」

陽菜は不安そうに言うと俺の家を後にした。
好きだ。誰もいない玄関で俺はそうつぶやいた。

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12:18
小嶋陽菜(1)
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 「退屈だ
 ここ数日何も起こらない
そういえば今日は家に携帯を忘れてきたな
 本当についてない」

数学の授業中、口をとがらせ、その上に
シャーペンをのせながら
生まれつきの天然パーマ頭をポリポリとかき
窓際の席の一番後ろで暇してる俺。

俺の横の席は幼馴染で家が1件はさんで隣の
小嶋陽菜っていう女。ルックスはいいほうで
性格はものすごくマイペース。
たまに話すけど幼馴染だからと言って
一緒に帰ったり仲良しとか、そんな感じじゃない

右斜め前は陽菜の大親友の大島優子。
元気なやつでいまどきの女子って感じ
いつも陽菜にべたべたしてる
話してみるとおもしろい

前の席は俺と一緒にいることが多い
屋島隆弘。
いつもはヒロって呼んでて
俺と同じ帰宅部。
大島と付き合ってる。長く続いてるほうで
もう1年はたつかな。

俺の名前は池田裕也。
サッカー部だったけどだるかったから
今は帰宅部
彼女なし。

給食の班はこの4人。

まぁ。楽しい方なんじゃないか。

「早く高2になりたいな・・」

「ん?なんか言った?」
陽菜が俺の小言に反応し俺は我に返る。

「んぁ? いや、なんでもない
 気にしないで」

「・・そう。ぼっとしてないで
ちゃんとべんきょうすれば?
もっと馬鹿になるよ」

「・・・うっせ」

『ほらそこ!うるさいぞ!!』

《す、すみません》

キーンコンカーンコン
キーンコンカーンコン

『これで授業を終わります
 小嶋と池田は後でしょくいんしつにきなさい』

《・・・はい》


「おい、陽菜!お前のせいだぞ」

「な、なんで私なのよ!
 裕也がぼっとしてるからでしょ!」

「うっぜーな。いいから行くぞ馬鹿」

「・・・うん」

教室から職員室までおよそ2分
その間2人は口をきかなかった。

先生に説教され、苛々しながら
2人別々にHRが終わり静かな教室に戻る。
先に戻ってきたのが俺。

「お!裕也!まってたぞ〜!一緒にかえろ!な?」

「池田ぁ〜!陽菜は?」

まだヒロと大島は残っていたようだ。
俺は大島に陽菜はもう来るよと伝え
ヒロといつもの駄菓子屋によることにした。
しかし今日はあいにくの閉店の時間だった。

「・・・今日は帰るか。ヒロ」

「そうするか!」

「じゃあな」

「おう!」

ヒロはすごく元気だったが
俺はそれほどの元気がなかった。
トボトボと家に帰っている途中
大島優子の明るい笑い声がきこえてきたのだ。
ここで陽菜と合うのは気まずいと思ったが
早く家に帰りたいので気にしない事にした。

大島とバイバイしたのか
俺の後ろはやけに静かだ。
外はもうまっくらで、少し不気味だった。
自宅の前まで来て気になったので振り向いてみると
誰もいなかった。陽菜はもう家に帰ったようだ。

自分の部屋に入り制服姿のままベッドに
仰向けに飛び込んだ。
家の中はやけに静かだ。
あぁ。今日から1週間両親はグアムに
結婚記念日の旅行を楽しみにいっているのだ。

ふと、携帯を見ると青いランプが点滅している。
ディスプレイをみると「新着メール3件」
と書いてある。

メールを開くと、3件すべてが陽菜からだった。

1件目 09:48 暇だからメールしようよ
2件目 11:32 話したいことがあるから
3件目 18:56 今日はごめん

最初の2件は授業中
最後のメールは3分前に来たメールだ。
返事をするのが面倒だったのでそのまま放置していた。

・・・気付けば深夜23時。
あぁ。あれから寝てしまったんだ。
携帯をひらくと「着信あり 陽菜」
そうとうな用事があるのだと思い
急いで陽菜に電話した。

1コール 2コール 「・・・はいもしもし」

「俺だけど。なんか用?」

「外にでてきて」

陽菜はそういうと一方的に会話を終わらせた

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