もぐもぐ

□ツメタイカゲロウ
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R18?














唇が



指先が



悪戯な蛇が



絡み付いて、










「おい、抜けるってどういう事だよ」
「うるさい」



強引に口付けて言葉を消す。




「んっ....っにすんだよ.....!」



身体を回転させ押し倒す。



「はっ...や、あ...!」
「俺はなんと言われようと抜けることやめねえよ」



小さな細い身体を揺さぶる



「やめ、やだ!さるっ...さるひこ....っ!」



嗚呼、だからこいつが嫌いなんだよ。



「てめっ....絶対、許さねえ....!」
「好きにすれば」



起き上がれないお前を見下しながら嘲笑う。



消えた言葉になくした恋心。



積み重ねた信頼を崩し、出来上がった憎しみ。



「失せろ...!もうツラ見せんじゃねえ...!」
「言われなくてもな」



じゃあね、美咲。



青のクランに入ってから暫くは手付かずだった。



「みさ、あ...そうか」



隣には温もりがなくて、



「ち、くしょ...」



泣きながらお前を壊してゆく。



「美咲...」
「なあ、美咲ぃ...」



俺を置いてくなよ。



また、昔みたいに笑えよ。



しょうがねえな、って。



「こんなの、まだ足りねえよ....」



こんな自由は望まなかった。



「さる、戻って来ねぇの...?」
「俺をなめてんの?」



強がって、軽く離れたのに。 



お前の小さな手が、



大好きな声が



思い出が纏わり付いて



前を見れない











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