もぐもぐ
□あまえてみる？
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「猿比古....」
何が起きたんだ？
朝起きたら美咲がいて、
笑ったと思ったら抱き締められて
....今に至る
「みさ、き？」
「........」
俺を抱き締めたまま動かない。
嬉しいけど、さ。
「どうした」
「んー」
すり寄ってくる。
なにこれデレ期....!?
「さるひこー」
「なに」
「すき」
は？
美咲に抱き締められたままなので
美咲の表情はわからない。
「いま何て...」
「うるせえ、ばか」
やだ、超可愛い！
「どーした」
「このままでいたい」
「なんで」
「知るか」
なになにどうしよう...！
手のやり場に困る。
「美咲」
「なに」
「どうすりゃいいの、俺」
「なんもするな」
「えー」
冷静に考えるとアレだな。
美咲大人しすぎる。
「美咲、変」
「しってる」
「ちゅーしたい」
「ん」
いいのか...!?
ちゅ、と軽く口付けると
物足りなさそうな顔の美咲。
「すげ、かわいー」
「....かわいくねえよ」
「俺から見たら可愛い」
「あ、そ」
なんだこの恋人みたいな戯れは。
夢？夢オチ？
「さるひこ」
「なに」
「これ、落ち着くから今日は許せ」
......やっぱりなんかあったのか。
俺の首に顔を埋める美咲。
「俺、自分が思ってるより弱かったんだな」
「え？」
「だから、誰一人守れなかった」
「美咲」
「お前ですら守れなかった」
俺？
「....一番、傍に居て欲しかったのにな」
「っ！」
それって俺を
「お前が好きなんて気持ちわりいな...でも、なんかな」
少し離れて視線を落とす美咲。
「自分がわかんねえ、もうお前のことばっか考えんの辛いんだよ...！」
久し振りに胸が高鳴る
みさきがおれをすき。
俺も。
「俺だって美咲のことばっか考えてる」
「なっ！」
「美咲も同じ気持ちかよ、笑えるな」
顔を真っ赤にして固まる。
「俺は美咲が好き。出会った時からずっと」
小さな体を抱き締める。
「おま、散々喧嘩吹っ掛けて...！」
「そんなの、美咲の気を引くためだろ」
「〜っ！」
そしてまんまと引っ掛かる素直な美咲。
「俺、お前の思惑通りだったのか....」
渋い顔をして俺を見つめる。
そんなに見つめられると恥ずかしいな。
「まあ、わりと」
「なんかやだ、負けた気がする」
「じゃあ、勝ってみるか？」
「へっ？」
あー、その意味わかんないって顔。
好き。すげえ好き。
「勝つって、どうやっ...ん...ふっ....んん...!?」
「こうかな」
「無理！絶対無理！」
「そう？」
可愛い、可愛い。
好き、昔から。
癖毛の茶髪も目付きの悪さも背の低さも小さな掌も綺麗な肌も細い腰もくるくる変わる表情も短気で真っ直ぐな性格も美咲全部が、好き。
「美咲」
「な、なんだよ」
「俺の好きなところ５つあげて」
「は!?無理、はずい！」
「いいから」
あー、可愛い。
「んと、.......顔は嫌い」
「は？」
誰が悪口を言えと？
「女が好きそうな顔じゃねえか...」
え、ヤキモチ？
やば、可愛すぎる...！
「長身なのは好き、か？あーでも、音楽聴きずらいな。色白なのは引き込もりの証拠だし、声キモいし、髪ぼっさぼさだし、無駄に細いし、意味わかんねえし」
それ悪口じゃん...
「あ、それと」
「なに」
「.....眼鏡、邪魔だし」
どくん。
やばい。
これはやばい。
上目遣いで眼鏡いらないとか
おねだりでしかないよな？
「キス、したい？」
「うるせえ」
「じゃあそのうるせえ口塞いでくんね？」
「....しょーがねえな」
「ありがと」
まさか美咲からしてくれるなんて。
幸せ過ぎて明日死ぬんじゃねえか。
「みさき」
「んっ...な、に」
「かわい、ね」
「っきも、い」
「すき」
「...やだ」
「だいすき」
「ん、やっ」
「あいしてる」
「.....おれも」
美咲の性格なら明日にはまた裏切り者扱いかなーま、いいけど。
今だけは
俺を愛して。
気が付けば外は真っ暗。
....してしまった、美咲と。
「なに呑気に寝てんだよ、敵の前で」
無防備な寝顔、可愛いね。
「.....さる.....」
「ん、寝言？」
「....ん.....傍にいろ....帰ってこいよ....」
時計の音がうるさい
「....ごめんな」
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甘→シリアス？
両想いな猿美書きたかっただけ
「.....眼鏡、邪魔だし」
言われてえ...!
眼鏡ないけど！
20121117