もぐもぐ

□苦しみながら、消えて?
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彼奴に出逢わなければ
きっと、どの王にも仕えずに
一般人でいれたかもしれない。




晴れた日の日曜日。
美咲がばたばたと音をたてながら
部屋に入ってきた。


「猿比古!聞けよまじすげーから!」
「ん、なに?」


この話を聞かなければよかったのか。


「今日渋谷で絡まれてさ、んで殴り合いしてたらキリがなくて。でも逃げるに逃げらんねえからとりあえず殴ってたらいきなり炎がぶわあって!」
「炎...?」
「おう!普通の炎じゃなくて綺麗な赤色の炎!すげえかっけーの。」

炎で喜ぶって小学生?
見た目通りの餓鬼だなあ。

「俺を助けてくれた人、周坊尊さんって言うんだって!赤の王って言ってたから...本当にすごいぜ!」
「で、その赤の王がなに」







「俺、その人に仕える」








「は....?」
「だから、さ。猿比古も一緒に...」
「やだよ」
「え、なんで」
「俺は誰にも仕えない...美咲だって言ってたじゃん」
「それは昔のことだろ、信用出来る人の元に行くんだ、いいだろ?」


待てよ、なんだそれ。
美咲には俺だけじゃなかったのか?

俺は美咲だけだ。
誰にもあげたくない。


「美咲....」
「なんだよ?」


小さな身体を抱き締めた。

「俺の味方でいてくれんのか?ずっと....」
「は?あたりまえだろ」
「そう....」


それは残酷な約束。

何をしても、罪を犯してでも
その人の味方でいるなんて
人間は不可能なのだから。


「美咲、その人に会わせろ」




契約をしてからはそれなりに充実していた。

基本的に美咲と行動をしていて生活に支障はない。が
最近美咲の周りにいる虫がうざい。


「みさ「八田さーん!」


こんな感じだ。
みんな邪魔をする。消えろよマジで。


美咲と話しててもつまらない。


「尊さんまじヤバい!かっけーよ!男って感じ!」
「はいはい」
「尊さんが頑張ったなって頭撫でられた!尊さんなら許せる!手が大きくて謎の安心感!」
「は?」
「ん?」
「あ、いや。そっか...」


頭を撫でた?美咲の?
許したのか触るの。

黒い感情が体の中を廻る。

「美咲、ちょっといいか?」
「は?ちょ、尊さんに会いに行くんだけど...!」
「そんなの後にしろ。来い」
「え、なに?離せよ」
「やだ」


薄暗い路地裏に連れ込む。
わかりやすく戸惑っている美咲、可愛いね。


「なんだよ、こんなとこ連れてきて」
「なあ、美咲」
「あ?」
「美咲が...他のやつと喋ってると苛々する。他のやつと一緒にいると殴りたくなる。他のやつの話をされると殺したくなる」
「は...?」


逃げられないように身体を壁に押さえ付けて上から見下す。

言葉の意味に理解できず不安に歪む顔に魅力を感じた。


これか。

たぶん、これ。

この顔は俺でいっぱいの顔。


「や、やめろよ...!」
「俺、この感情がわからないんだよ」
「知るかよ、離せって!」
「やだ。離したらまた、あいつの所に行くんだろ?」
「あたりまえだ!仲間の所に帰るんだぞ?」


美咲は根が優しくて仲間思いのいい子。
誰にでも情を与えてしまうから最近前よりも俺に優しくない。


気に食わねえ。


「なあ、美咲」
「な、に」
「好き」
「は?」
「好き、美咲が」
「何言って...」
「愛してる、だから俺だけを見て」
「は?意味わかんねえよ!」
「美咲の存在が好きだ」



顔を見てやれば心底不快そうな顔。


いいな、これ。


絶望させたい。
人なんか信じられなくなるくらい。


「信じらんね、猿てめえ...」
「美咲、美咲....」


首に噛み付き痕を残す。


「がっ...!猿...やめ、ぁ....!」


美咲のズボンと下着を同時に下ろす。


「おい、何すっ...ふざけんな!何しやがる!」
「うるさい」


腹を殴ってから下を掌で愛撫する。


「ぐぁっ!?...んぐっ...んん...はっ...ふぁ...」


だんだん甘くなる声に嬉しくなり優しく声を掛ける。


「美咲ぃ...可愛いなあ...」
「やめ、ろ」
「腰がくがくしてるし、説得力ないな」
「触んな気持ち悪い!」


その目。好き。

もっともっと美咲が欲しい。


美咲の後に手をやる。


「ひっ...!なにすっ...?」
「此処に挿入れんだよ、俺の」
「は?無理に決まって...やだ、やめろ!」

美咲の両足を持ち上げて肩に掛ける。

「うわ、エロい」
「やめろ!やだ、無理っ」

無理矢理突っ込むと血は出るな。
可哀想だけど俺とした痕なら構わない。寧ろ光栄だ。

いきなり奥まで突っ込む。

「あ"ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"あ"!!」

結合部から赤い液体が滲む。


やっぱり血が出たか。

それでも泣かないように我慢している美咲。

苦痛に歪んで俺を憎む目だ。


「も、抜け...!やだっ...てめえ...許さねえ...!」
「苦しい?俺は気持ち良いけど」
「死ね!ひっ...が、はっ...殺す...!」
「は、みさき...みさきぃ...」
「くそっ...も、嫌だ...やめろ...やめろ...!」


あーあ。
泣いちゃった。

どうにか逃げようとする美咲。

可愛い、美咲。



「逃がさない」








さようなら
俺への美しい感情。



苦しみながら、消えて?












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翌日裏切るみたいな!
無理矢理のなんかキスはしない感じ!


どうですかね(笑)


エロ予定皆無だったのですが。
あれー?






20121108

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