まぐまぐ

□浮わついた気持ち
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猿美前提のモブ美、草八表現あり。
わかりずらい。
浮気しちゃう美咲の話。





















『ふ、...八田さっ...』

『ぁ...ん、んっ...はぁ...あっ...!』




知らないやつの喉から
小さく漏れる吐息。


そうか俺の心はきっとあの時に
死んでしまっていたんだ。








─── 美咲 ───










さるひこが、わらってる





だからこんなに綺麗なこいつを
綺麗とも思えず



「おい、美咲ぃ...何考えてんだよ...集中しろよ」

「...わり、い」



何かに気付いたように
行為をやめる猿比古。



思わず、目を反らしてしまった



だって、俺は、本当は、




『俺が、俺なら美咲を...美咲だけを』
『さる...?』
『俺が、ずっと美咲と居てやるから』



ああ、そうだな。

あんな時もあったっけ。



俺だって猿比古だけ...だった。



本当にお前だけを見て



生きていくつもりだったんだよ。






『いっ...ぁ...んっ...は、...!』
『八田さん、かわい...っすね...』


安っぽいベッドがギシギシ言ってる。


『あ、ぁ...こんなっ...だめ、あっ....ぅ...』


浮わついた俺の上で誰かが腰を振ってて

『やぁ、ん...あっ...ぁあ...!』
『いいんですか?貴方彼氏いるんでしょ、』


知らない男がニヤリと笑う。


『ちが、う...彼氏なんかいねぇ...ひっ...あ、あっ...』

何であんなことを言ったのか。




ゆらゆら


ただ、ぼんやり


『じゃあ、浮気じゃないんすね?』


その風景を眺めていたあの時。



「美咲?...お前さっきから変だぞ」
「...変じゃ、ねえよ」


いつもみたいに
心配してくれる猿比古。



そんなお前が大好きなのに



お前への想いは汚れちまって、



「美咲、美咲っ...!!」



俺を抱きしめる腕が、



背中が、



胸板が、



なんだか俺には愛しすぎて


「あっあっさる、さるっ...!!!」



言うしか、ない。



俺だけを見てくれてる
こいつのために。



そして



そんな猿比古と向き合うために。



「美咲、愛してる...好き、すき...」



許してもらえないなんてわかってる。







でもな、



ズルいって言われようが



最低だろうが、



お前にだけは嘘なんてつきたくない。



「....さる、...んっんぅ...!」
「ん、美咲、美咲....」




でももう少しだけお前に



猿比古に愛されていたいから、




このキスが終わったら
話すから。








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