夢小説入口∫異世界への扉∫

□第7の扉
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『ここが、わしの家じゃ。』

「ここ・・・って??」

日が暮れる前にノアの家にと、森の中を移動したのだが、
ノアのがここだと立ち止まった場所に家らしき建物は無かった。
きょとんとしている名無しさんにノアは笑いかけると

『わしら鳥族の身体には魔法のような秘密があってな。そのせいで、あ奴に身体をいろいろ調べられたんじゃが・・・まあ、見ておれ。』

パンっとノアが両手を打ち付けると
ふわっと風がおこり、名無しさんが思わず目を閉じている間に。

「?!・・・ノアさん!背中に羽が!!!」

ノアの赤い髪とお揃いの真っ赤な翼がノアの背中に現れていた。

『どういうメカニズムなのか、わしもわからんのだよ。まぁ、あ奴は何か気付いたようじゃったが、詳しくは解らないからと言って教えてくれんかった、わしもやっと解放される喜びで、さっさと奴から逃げたんじゃがな。』

手品か魔法を見たような
一瞬の不思議な出来事に名無しさんがぼんやりしていると、ノアが名無しさんが抱き抱えて、舞い上がった。

「!・・・きゃっ」

『まあ、鳥族は皆こういうものだ、気にすることはない。自由に翼を出せるわしらの家は・・・』

名無しさんがしっかりとしがみつくと、ノアは一気に羽ばたいた。
背の高い木々の上まで舞い上がると木々の上に小さい家がポツポツと器用に建てられている。
ノアはその中の一つに舞い降りた。
ノアが扉を開け中に入ると、中はとても狭くソファーと小さなテーブルが置いてあった。

「・・・かわいいお部屋ですね?」

戸惑っている名無しさんに、とっくに翼をしまったノアが笑いながら答える。

『狭くて驚いたじゃろう?
木の上に大きな家を建てるのは難しい。だから、鳥族は一人でたくさんの家を持つのじゃ。
わしも一人暮らしなんじゃが、名無しさんもさっき見えたじゃろ?あれは、全てわしの家じゃ。狭いがここはリビングなんじゃ。』


「あれ・・・が全部ノアさんの・・・」

『まあ、いろいろな種族がいるとゆうことじゃ。簡単な食事を用意する、調理場は隣じゃ、名無しさんは座って待っていてくれ。』

ノアは名無しさんのドレスを丁寧に窓際のハンガーにかけると出て行った。
扉の外でバサバサと羽ばたく音がする。
名無しさんはソファーに座った。

・・・本当に不思議な世界、いろんな種族がいて、いろんな暮らしがあって、ノアさんはいい人そうだけどどんな人なんだろ・・・

ノアの部屋はこじんまりとしていて木の香りが漂い、小さいがフカフカのソファーが心地よい。

バサバサ、ガチャっ

ノアが大きなバスケットを持って部屋に帰って来たときには名無しさんはスースーと寝息をたてて眠っていた。

『あの森を彷徨っていたんじゃ、そうとう疲れていたんじゃな。』

ノアは名無しさんにシーツをかけるとカチャカチャと食事の用意をはじめた。
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